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トンプキンズ広場のジャズ
スイングするビートにのって、サックス、ピアノ、ベースとソロがくりひろげられていく。
たった1メートルの鼻先で軽やかにふきあげているサックスに、スローシャッターを切った。
ジャズがきこえる写真を撮りたかったのだ。
人種のサラダボールのニューヨークでも、その色合いがこく、いろんな階層がまじりあう街、
イースト・ビレッジ。
人種と階級のごったまぜが、この街を時代に先取りするアートの先端発信地とした。
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一見バラックと思える実験劇場LaMaMa(ラ・ママ)。
オフ・オフ・オフ・ブロードウェイの老舗。
かずかずの名作と人材を生み、いまなお前衛劇場のメッカだ。
東京キッドブラザースもここから巣立った。
高くなった家賃のせいか、アーティストがブルックリンなどへ逃げだし、
この街に昔ほどの輝きはない。
が、ボヘミアンの雰囲気がただよい、僕の好み。
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深夜のアベニューAのトンプキンズ広場。
地元に住む知人が、この広場より東へ、夜行くなと警告した
ギリギリ7丁目のジャズスポットDEANNS。
30の席に40人ほど詰めこみ、客が重なりあっている。
奏者も客のなか。
アドリブのかけあいで奏者と客が一体で熱気はうなぎ登り。
客のドラマーのとび入りで最高潮となった。
名言「ジャズに名曲はない。名演奏があるのみ」。
即興は、奏者の個性や技量がつよくにじみ出る。
アドリブこそジャズの醍醐味。
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ビレッジのスイート・ベイジルでマッコイ・タイナーのピアノに
かぶりつきの幸運から、クラシックもジャズも好きになってしまった。
夜もふけ零時をまわった。
目のまえのサックスが握手をもとめてきた。
感激。
また、ここに来るぜ。