子どもが髪を染めてきたらどうする?妻の回答に考えさせられた話
髪形や服装など、様々なことが「多様性」と言われる時代において
私たち教師が言えることは少なくなってきているようにも感じます。
無条件で尊敬されたいという気持ちはこれっぽっちもありませんが、
保護者に「言いにくさ」を強く感じるのは私だけじゃないはず…
とはいえ、子どもが奇抜な髪形や髪色になって登校してきたら
私たち教師は対応を余儀なくされるわけで。
今日は妻とこんな話をしました。
妻「子どもが髪を染めてきたらどう指導する?」
私「うーん、保護者の意向が強いから、なかなか指導しにくいよね。
子どもがやりたいっていうより、親の思いで染めてくるんだろうし」
妻「じゃあ、その子が染めたいって言ってたらどうするの?」
私「うっ・・・」
私「でも、結局のところ
髪を染めてきた子どもに対する
レッテル貼りとかにつながっちゃうんじゃないかな
っていうのは思うよ」
妻「わたしもそこだと思うよ。
その子が友達や先生、道行く人から「どう見られるか」とか、
その見られ方のせいで不利益があるかもしれない
っていうことは考えられてないと思うもん」
止まらない妻、感心する私
見た目のせいで可能性を少しずつシャットアウトされていくことって
正直あるじゃん。日本の文化的に。
「髪色やファッションがその人の価値を左右するものではない」
って頭ではわかっているけど、
それは社会性を身につけた大人だから言えることだよ。
自由と好き放題はちがうよね。
自由っていうのは社会的なルールやマナーを守った上での選択だと思う。
でも、好き放題はその社会性みたいなのを考えないで、
自分本位で、自分の思い通りにするっていう意味合いが強いと思うよ。
わたし、自由って責任が伴うことだと思う。
社会性が未熟な子どもで
その見た目の責任を背負って生きていけるような子って
ほんの一握りだと思う。
私「小学生でバッチバチのギャルやってる子とかテレビで見るけど
あの子たちはもうあの道を行くんだもんね
きっかけは親かもしれないけど、その価値を自分の物にして」
そう。でも大多数の子はそうじゃないよね。
普通の子が髪を染めることは
やっぱりリスクの方が大きいよ。
親が子に「業」を背負わせる
親のエゴや「多様性」を盾に
親が髪を染めることを押し通すことで、
子どもに業を背負わせることになってるじゃん。
髪を染める選択をする保護者は
そんなに深く考えていないかもしれないけど、
周りの人の見方はどうしてもそうなると思うよ。
「親の私がいいって言ってるんだから」って強がっても、
他の子、他の保護者、道行く人は何かしら思ってるし、
その見方を抱えてしまうことにまで文句は言えないよね。
その目にさらされる子どもの今後にまで責任もてると思う?
もし「何で髪を染めちゃいけないんですか?」って言われたら、
「逆に何で髪を染めていいと考えたのですか?」って
やわらかく聞いてみたいな。
今の教師ってそんなに強く言えないだろうけどね。
「髪染めてる特別な子を連れてる自分」に
矢印が向いているようなケースもある気もするし。
私「なるほど、子どもが自分のアクセサリーになるのか。
その感覚はなかったけど
もしかしたらそういう人もいるかもしれない」
うわぁ、妻はこんなに真剣に考えていたんだな。
私だったらこんな風にしっかり語れない・・・
妻の話を聞いて私が考えたのは大きく二つです。
社会性が未熟な子どもに「レッテル貼りをされること」の弊害について考えなければいけない
私たち教師が子どもを一人の人格として尊重し
その子にはその子の価値があるという認識をもって
日々の教室で関係を結んでいくことは大前提としても
子どもが髪を染めているという状態が
「他人の見方に何の影響もない」というのは無理がある
というのが私の考えです。
ブラック校則が改正される風潮が高まり、
男子のツーブロックや女子の髪の長さの規定がなくなるのとは
別の問題だと思っています。
髪を染めていようがいまいが
学校の日常、他人との関係は続きます。
髪を染める
たったそれだけで
今までの日常や人との関係に少なくない影響がある
そのことを自分では責任を取れない子どもに背負わせてしまう可能性がある
ということを私たち教師は保護者と共に考えなければいけないと感じました。
外見を飾ることを覚えた子どもは、大切な成長期に内面を磨くことを怠ってしまう
髪を染めることに味をしめれば
さらに別な何かで自分を飾ることに意識が向くのは
ごく自然なことだと思います。
そのことが承認欲求を肥大化させ
自分軸ではなく
他人軸で生きることを助長させてしまわないか
この問題は結構大きな問題だと考えます。
外見に無頓着になれ
外見なんて気にするな
と言いたいのではなく
今向き合うべき本質的な問題に目を向けないといけない
ということです。
もし私の娘、息子が「髪を染めたい」と言い出したら何て言うかなあ。
「そっか、そういうことに興味が出てくる年頃になったんだね。
気持ちはわからないでもない。
パパも大学生のころに明るい茶髪にしたことがあるよ。
今考えたら全然似合ってなかったけど。
でも今君は○学生だ。
今君が髪を染めることで
周りの友達や先生、道行く人は
君をどんな目で見ると思う?
その変化はかなりシビアな問題だよ。
そのことを考えたら
自分の見た目や能力、行動に責任をもてる大人になってから
でも遅くはないんじゃないかな?
大人になってからでも遅くはないことは、
今やらなければいけないことではないよ。
今やらなければいけないことを精一杯やって、
大学生になったら自分の責任で髪を染めたらいいよ。
パパは似合わなくてすぐやめたから、
もしその時が来たらスタイリストさんかママによく相談してみな」
と伝えるのが、今の私の精一杯。
・・・と書いてきましたが、思春期になれば
当然他者からの目が気になる年頃になるわけで。
私も当時、
アディダスのジャージの襟と袖を学ランからはみ出させて着る
という今じゃ考えられないファッションをしていました。
あの頃のたくや少年よ
何でそんな着こなしだったんだ・・・?
どうせ大した理由じゃないだろ
カッコ悪いからやめとけよ…
うちの妻との会話から考えた(考えさせられた)ことを
つらつらと書いてみました。
問題は、どうやってクラスの子どもと保護者に伝えるか(特に保護者)
うーん、やっぱり難しい。
みなさんはどう考えますか?
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