めぐる命を子どもたちに伝えたい!アメリカ仕込みの牧場経営に汗する若き酪農家の挑戦
★共にチャレンジする仲間を募集しています
世界一チャレンジしやすいまち、宮崎県新富町。
この町で、自分のやりたいことにチャレンジしてみませんか?
宮崎県新富町が2017年4月に設立した地域商社こゆ財団は、新富町でチャレンジを始める新たな仲間を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
ここでは、私たちこゆ財団をはじめとして、いまどんな仲間がいるのか、町ではどんなチャレンジが起こっているのかを紹介しています。
今回は、プロの料理人も絶賛する牛乳を手掛ける、松浦牧場・松浦千博さんのチャレンジです。
宮崎の新みやげ品の原料に!
松浦牧場の2代目として、120~140頭の牛を飼育する松浦千博さん。松浦牧場の牛乳は、加工しても風味が変わらないと評判です。
その味はプロの料理人も認めているほか、こんな事例も。
宮崎県新富町と同じ児湯(こゆ)郡にあり、ふるさと納税では全国トップレベルの寄附額を誇る、都農(つの)町というところがあります。そこで作られている宮崎の新みやげ「南国プリン」は、濃厚なのにスッと後味が消えるプリンを目指していて、松浦さんの牛乳にたどりついたのだとか。こちらの商品にはすべて、松浦牧場の牛乳が使われているんですよ。
※公式サイトより画像を拝借いたしました。
松浦さん曰く「よいエサや新鮮な水、牛の体調管理や環境整備などこだわりを挙げればキリがないです。しいていえば、土ですね」とのこと。野菜の味なら土というのもわかりますが、牛の飼育で土の大切さが語られるのは、けっこうな驚きです。
「風味はエサで変わるんですよ。それで以前からよりよいエサを追求していたのですが、エサは土に左右されることがわかってきました。良い土が良いエサを育み、良いエサが良い牛を育てるということですね」(松浦さん)
アメリカでの理想の牧場との出会い
松浦さんがなぜそうした考えを持つようになったのか。原点は、大学時代にインターンシップで訪れたアメリカ・イリノイ州の牧場にあるそうです。
「その牧場では、牛乳の生産から加工そして販売までを一貫して行いながら、積極的に食育活動をしていたんですよ。牛と触れ合うために整備された牧場ではなく、実際のリアルな牧場で、子どもたちが牛と触れ合える場づくりに取り組んでいるということにとても感銘を受けました。私が目指す牧場はこれだ!と思いましたね」
ところが日本に帰国した松浦さんを待ち受けていたのは困難な道のりでした。2010年、家畜の伝染病「口蹄疫」が発生し、松浦さんの牧場は全74頭の牛を失ってしまいます。
出産2ヶ月前の牛を30頭購入するところから再出発した松浦さん。
あれから10年、目標にしてきたアメリカの牧場を見習って、スタッフの分業制を取り入れたり、直販に取り組むなどのチャレンジを続けてきました。
直販、体験…改めて感じる牧場と牛乳の可能性
新富町商店街の「こゆ野菜カフェ」では、松浦さんの牛乳を使った「本気カフェオレ」(450円)を味わうことができます。アイスももちろんですが、ホットで飲むと牛乳の甘さとコクが引き立ってとにかくおいしい!
さらに松浦さんは、牧場での乳搾りや仔牛へのミルクやり体験ができるプランも作成。また一歩、目標とするアメリカの牧場に近づこうとしています。
「直販をはじめてから飲食店の方と話す機会も増え、牛乳を調理した感想やその料理をお客さんに提供した反応など、お店の方が楽しそうに話してくれるのがうれしいですね。改めて牛乳の可能性を感じるとともに、もっと多くの人にこの牛乳を飲んでもらいたいと思うようになりました。また、直販をきっかけにメディアが注目してくれ、取材が来ることでスタッフのモチベーションも上がり、生き生きしているように感じます」と話す松浦さん。
よい土がよいエサを育み、健やかな牛が育つ。健やかな牛からはおいしい牛乳がつくられるだけでなく、子どもたちは牧場での体験を通じて自然のサイクルの大切さを学び、またよい土、よいエサへとつながっていく。
松浦さんが目指すのは、そんな「めぐる命を体験できる牧場」です。
「子どもの頃に飲んだ牛乳の味が忘れられなくて、大人になってからも故郷を思い出してくれるような、そんな体験につながるとうれしいです」(松浦さん)
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