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私が「PR情報番組」を始める理由

こんにちは。株式会社SEVENの代表・縫 崇です。
業界32年目のラジオマンです。九州朝日放送やTOKYO FMを経て、2008年に音声コンテンツや音声広告の企画制作を手掛けるSEVENを立ち上げました。現在17期目です。10月から東京のinterfmにて"PR情報番組"をうたう「BuzzSeeker」をスタートさせます。この記事では、なぜ私がPR情報番組を立ち上げるのかをご説明差し上げつつ、皆さまにこの番組をPRいたします。

情報の信頼性が揺らいでいる

IT革命云々は流石に措きますが、Twitterがアメリカ大統領選や東日本大震災などを経て情報流通のメインストリームとなり、こと速報性に関しては従来型のメディア(それはメディアのウェブサイトも含むと考えます)をも凌ぐ存在になりました。Twitterを中心とするSNSは情報流通の民主化を果たしましたが、プラットフォームの特性として「情報の真偽」「情報の価値」「情報発信の背景」などは無視されます。しかしこれらは無視して良いものではありません。結果として有意な情報とともに、悪意や偽情報・詐欺・憎悪も大量に・そしてリアルタイムにSNS上に溢れるようになりました。

メディアの信頼性が経済に負けつつある

一方、放送や新聞・雑誌といった従来型のメディアは衰退が進んでいます。スタッフは質量ともに減り、コンテンツ制作費はその一部に集中。既存メディア企業の縮退は止まりません。現場レベルでは制作効率化の大きな部分をSNSが担うようになり、前段の問題はメディアにも蔓延しています。
またメディア企業のコンテンツ広報もSNSが舞台になるため、SNS的な文脈に飲み込まれます。結果としてメディア自身が「釣り見出し」や「ポジションを取った情報発信」「リーチ獲得に特化した広報」を行う傾向が見られます。

自主的広報の重要性が増している

そうなると、企業や団体が正確な情報発信を企図してオウンドメディアを強化する流れは必然となります。「トヨタイムズ」の存在が象徴的ですが、細かいところを見ていくと「マスメディアの報道出身者がPR会社に移籍する」とか「アナウンサーが企業の広報担当者に転身」といったニュースは珍しくありません。これはメディアの凋落よりも、企業の情報発信能力強化という文脈で解釈すべきです。情報と、それを流通させてきたメディアの信頼性が揺らぐ時代に、自主的広報の重要性はどんどん増しています。

「第三者の視点」は自主的広報にも必要!

ただ企業や団体の自主的広報は、あくまで発信者の視点で行われることは忘れてはいけません。特に企業のPRは利益のために行われるものです。この場合も「情報の真偽」「情報の価値」「情報発信の背景」などはやはり第三者の視点でチェックされるべきものです。この場合の第三者の視点は、消費者の立場、情報の受け手の立場を守るものであるべきだと考えます。

放送広告の「考査基準」が活きてくる

ではその「第三者の視点」を担保するものはなにか?と考えたときに、私が着目したのは民間放送局が広告(CM)を販売する際の「考査基準」です。Facebookや一部(とは言い難い)サイトにはど真ん中の詐欺広告が蔓延していますが、放送広告は企業やその業態、そして広告表現に厳しい自主規制があります。それは同じ旧マスメディアである新聞や雑誌広告よりも厳しいものです。企業や団体が広告出稿を考えたとき、一番謝絶(広告を扱ってもらえない)可能性が高い媒体は放送広告です。
そこで、企業の自主的広報を放送広告の考査基準でチェックし出力するコンテンツがあれば、それは信頼性が高いものになるのではないかと考えました。これが「ラジオでPR情報番組を始める理由」です。私がラジオ業界で30年以上働き、激変する情報流通市場を見続けてきた中で考えた、ひとつの社会貢献策です。

信頼されるコンテンツを柔軟に活用できる構造にする

ただ現実問題として、ラジオの媒体力は高くないという問題があります。また放送番組の特性として「放送のタイミングに接触できなければ無意味」という点も無視できません。昔と違いradikoのタイムフリー機能などがありますが、それだけでは不十分です。
そこでこの番組は、radikoやAuDee(TOKYO FMやそのネットワーク系列局などが利用する音声コンテンツプラットフォーム)を軸としてポッドキャストで配信。いつでもどこでも無料で聴取できるようにしました。ポッドキャスト自体は誰でも発信できるスキームですが、「放送局のコンテンツだけが流通するプラットフォーム(radikoやAuDee)からの発信により、信頼性を維持する」ことを特長としました。
ポッドキャストのコンテンツは、URLひとつでシェアできる手軽さがあります。これにより番組は、SNSやサイト、オウンドメディア、顧客や関係者へのメール、プレスリリースなどあらゆる環境で共有・再発信が可能となります。

「音のPR資産」として価値を高める

このように「信頼できる情報」を「信頼できるプラットフォーム」で「いつでも・どこでも」「あらゆる環境で再発信できる」ようにすることで、この番組は価値を持たせようと設計しました。企業や団体が自主的広報を行う際、ぜひこの「BuzzSeeker」を活用していただきたいと思います。小さい番組ですから、収容できる情報には限界がありますが、そこはフリーミアムモデルの採用で一定の対応力を維持しようと考えています。

現時点でこの番組が成功するか否かはわかりませんが、メディアビジネスの世界に棲んできたからこそ、情報流通の環境向上に貢献したいと考えています。もちろんこれは弊社の事業なので利益も追求しますが、倫理のある営利事業として大切に育てることで、ラジオメディアの再評価にも貢献できるようにしたいと思います。広告主のかたがただけでなく、PR企業やコンサルティング企業、ブランドエージェンシーの皆さまにも本企画をご活用いただければと存じます。お問い合わせは番組サイトからどうそ。
それでは、どうぞ宜しくお願いいたします!


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