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「読みたいことを、書けばいい」を読んで。

ずっと気になっていた田中泰延さんの本「読みたいことを、書けばいい」を読みました。これまで読んできた文章術の本とは全く違った切り口で、衝撃的な内容です。表紙には、「人生が変わるシンプルな文章術」と書かれていますが、ご本人もおっしゃっている通り、文章術ではなく、書くために必要な考え方を指南してくれる本になります。


文章を書いて発信をしている人の中には、「バズって有名になりたい」「アクセスを稼いでお金を得たい」みたいなモチベーションで書いている人も多いと思います。僕もそうです。ただ、その考え方が、そもそも間違えている。自分が書いて楽しくなればそれでいいと田中さんはいいます。

偉いと思われたい。おかねが欲しい。成功したい。目的意識があることは結構だが、その考え方で書くと、結局、人に読んでもらえない文章ができあがってしまう。(中略)この本は、そのような無益な文章術や空虚な目標に向かう生き方よりも、書くことの本質の楽しさと、ちょっとのめんどくささを、あなたに知ってもらいたいという気持ちで書かれた。そして同時に、なによりわたし自身に向けて書かれたものである。すべての文章は、自分のために書かれるものだから。

もう、この一節を読むだけで、1500円の価値あると思いました。そもそもなんでライターになったんだっけ、と自分の原点に帰ってみると、シンプルに「楽しそうだな」と思ったからです。でも、いつしか、「この仕事は儲かる」とか「この案件はお金にならない」とか、そういったものさしで仕事を選ぶようになっている自分がいる。noteもマーケティングの一環、みたいなそんなモチベーションでスタートしている。でも、それって、本来は自分が楽しいからやるんだよね、というすごく単純だけど、本質的なことに気づかせてくれる本でした。文章に関わる人だけでなく、多くの人に読んでもらいたいです。270ページほどの本ですが、文章に無駄がなくスラスラ読めます。僕は2時間くらいで一気読みしました。しかも、面白おかしく書いてくれているので、ビジネス書って感じは全然しません。ああ、面白かった。


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