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商品券を発行する際に気を付けるべきこと 資金決済法

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により落ち込んだ需要を取り戻す方策として、店舗や団体が商品券を発行する動きがあります。

私自身、既に、地域のいくつかの企業・団体から相談をいただいております。

その際、気を付けるべき点について解説します。
ちなみに、写真は4連休に白川郷に足を運んだ際のものです。

1 商品券は前払式支払手段の一つ

商品券については、資金決済法の規制を受ける場合があります。

資金決済法は、プリペイドカード・商品券等を「前払式支払手段」として一定の場合に規制対象としています。電子マネーと呼ばれるICカードもこれに含まれます。

前払式支払手段」とは、具体的には、

紙や電子機器その他の物に金額が記載・記録されていて、
金額に応ずる対価を得て発行されるもので、
代価の弁済のために提示・交付等により使用するもの

をいいます。

前払式支払手段」には「自家型前払式支払手段」と「第三者型前払式支払手段」の2つがあります。

「自家型〜」とは、

前払式支払手段を発行した事業者の物品を購入したりサービス提供を受けたりする場合に限り使えるタイプ(資金決済法3条4項)

です。

「第三者型〜」とは、自家型以外のタイプで、

発行事業者以外の事業者の物品を購入したりサービス提供を受けることができるタイプ(資金決済法3条5項)

を指します。

2 有効期間が6か月以内なら規制対象外

発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段は適用除外となっています(4条2号)。政令で6か月とされています(資金決済法施行令4条2項)。

国又は地方公共団体が発行するものも適用除外となります(資金決済法4条3号)。

国や地方公共団体以外が前払式支払手段を発行する場合には、このあとに説明する資金決済法の規制を避けるためには、有効期限を6か月以内にする必要があります。

3 自家型前払式支払手段の場合 未使用残高が1,000万円超となると届出が必要に

「自家型」の場合、発行している前払式支払手段の未使用残高(前払式支払手段の総発行額から総回収額を引いた額)が3月末又は9月末時点で1,000万円を超えたときは、財務局長等への届出が必要となります。

4 第三者型前払式支払手段の場合 財務局長等への登録が必要

「第三者型」は、発行前に財務局長等への登録が義務付けられています(資金決済法7条、104条、同施行令29条)。

登録を受けないで第三者型前払式支払手段の発行の業務を行った者については、罰則があり、3年以下の懲役若しくは3百万円以下の罰金、又は併科と定められています(資金決済法107条1号)。

5 未使用残高が1,000万円超となると……供託義務が発生

前払式支払手段の発行者には、利用者への情報提供が義務付けられます(資金決済法13条)。

さらに、発行している前払式支払手段の未使用残高(前払式支払手段の総発行額から総回収額を引いた額)が3月末又は9月末時点で1,000万円を超えたときは、その未使用残高の2分の1以上の額に相当する額を法務局に供託する必要があります(資金決済法14条、同施行令6条)。

6 払戻しは原則禁止

前払い支払手段については、原則、払戻しが禁じられています。

ただし、資金決済法では、前払式支払手段の発行業務を廃止したときには、利用者保護の観点から払戻しが認められています(資金決済法20条)。

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