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子どもの権利擁護委員活動報告会と子どもの権利セミナーが開催されました

今年度より多治見市子どもの権利擁護委員を務めています。

本日、多治見市は最高気温が38度超えとなりましたが、そんな暑い中、多治見市産業文化センターにて、私たち子どもの権利擁護委員の前年度の活動報告とあわせて、大湫病院の関正樹を招いて、「私たちが知らない子どもの世界」と題した講演が行われました。

この地域だけでなく、全国的にも有名な先生で、名前はかなり前から知っていたのですが、今回初めて直接、先生のお話を聴くこととなりました。

優しく丁寧な語り口、という評判の通りで、講演後の質疑にも丁寧に受け答えされておりました。

子どもたちにとっての「居場所」の意味、そして、その「居場所」を広げるために第1にすべきことは、子どもの立場から考えてみることではないのか、子どもの視点で子どもの側に立って発想することの大切さを強く感じました。

子どもの場合、家庭や学校が「居場所」となりやすく、どちらかがうまくいかない場合、その子どもには自分の居場所がない状態にあるということを意味します。

家庭に居場所がないというのが、児童虐待でありヤングケアラーの問題であり、学校に居場所がないというのが、いじめや不登校の問題であったりします。そして、自ら命を絶つことにもつながりかねません。

もちろん、大人の場合も、「居場所」を喪失することで重大な事件を起こす場合がありますが、子どもと比べれば、自らの力で複数の居場所を開拓し選択できる余地があります。

子どもの「居場所」を広げるためには、親子は別の人格であることを理解し、子どもがどうしたいのかについてもう少しだけ「子どもの声」に留意してもよいのではないか、大人の目が行き届きすぎない場所での遊びも大切になるのではないか、褒めることで子どもの世界を操作することはすべきではないし、他の子どもと比べきでもない、自分の子どもが他の人に褒められたときに、謙遜をすると子どもを傷つけてしまう可能性があるので「ありがとうございます」「褒めてもらえてよかったね」と語りかけるのがいいのではないか。
……このように、子どもの視点で子どもの側に立って発想することの大切さを感じました。

思春期・青年期は、同調性の強い仲間関係の躓きが大きな影響を及ぼすし、一緒に悩んでくれる、勇気づけてくれる他者の存在が重要になる。確かにそうだと思います。

よく、子どもが、SNSを介して、児童買春、淫行、児童ポルノ・リベンジポルノなど性的な被害を受けることがあります。

私は、加害者側の依頼を受けて弁護活動をする場合や、学校から生徒の指導・対応について相談を受ける場合もあります。

被害者がネットやオンラインゲームに「居場所」を作らざるを得ない状態にある、そして、加害者が、周囲の大人よりも、よき相談者に見えてしまう構図になっている。聴いていて、なるほどと感嘆しました。

児童虐待、いじめ、不登校。子どもを巡る問題への法的な対応を専門の一つとしていますが、今日の講演内容を今後の業務に生かしていきたいです。

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