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暴力を消すために

世界の各所でにらみ合っている暴力。

そうした暴力をこの世界から一掃する方法について考えてみると、
どうしたって、「いちばん初めに暴力を手ばなす奴」がいなきゃならない。

だから、みんながにらみ合っている中で、
最初に暴力を手ばなす決断をした者は、
まわりからは「馬鹿だ」と言われたとしても、
それはすべての暴力を放棄する第一歩を踏み出した勇敢な者だ。

太平洋の片隅のちいさな島国は、
「戦争と武力による威嚇や武力の行使を国際紛争の解決手段として永久に放棄する」
という憲法をもっている。

「そんな憲法で、平和をまもれるはずがないだろう」と、
威勢のいい合理主義者たちは言う。

だが、よく考えてみれば、この憲法が示しているのは、平和をまもるための
到達点ではない。

そうではなくて、平和をまもるための第一歩、を示しているのだ。

この憲法があれば、努力なしに平和がおとずれるのではなく、
ここから平和にむけた努力をはじめるために、最初にとるべきアクションを
教えてくれているのだ。

そう考えると、とてつもなく勇気と決断が求められる、
憲法なのだと、つくづく思い知らされる。


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