和歌山県|公立高校入試確率問題2024
分類:17 お互いに影響しない2つの偶然
計算式カードは新しい
数式がカードに書いてあるのは工夫している出題です。このnoteでは、偶然が2つ起こるなら表をつくって全ての場合を並べつくしましょう、ということをお勧めしています。というわけで、表をかくとこんな感じになりますか?
表の1マスひとマスが起こりうる1つの場合を表しています。それぞれのマスに対応することがらが起こることは同様に確からしく、15マスあります。したがって起こりうる全ての場合の数は15通り。
あとは、この15マスの計算結果を埋めればよいでしょうか。
$${\dfrac{6}{15}=\bm{\dfrac{2}{5}}}$$となります。
答
もっとスピードアップするために
$${6+a}$$や$${6-a}$$に代入した結果が奇数になるということを考えてみましょう。
偶数+偶数=偶数
偶数-偶数=偶数
偶数+奇数=奇数
奇数-偶数=奇数
6はもちろん偶数ですので、$${a}$$が奇数であれば計算結果は奇数になります。
一方、偶数にどんな自然数をかけても偶数になりますから、箱Bで$${6×a}$$が出てしまったら、箱Aで何のカードをひこうが、条件には合いません。
計算結果の値を表に入れずとも、条件に合うか判定することができます。
【研究】樹形図で解くのは?
サイコロ以外の問題は「樹形図」で解くのが標準的な解法とされています。しかし、樹形図を問題文のA→Bの順番で
とかいて考えてしまうと、1を3つの式にそれぞれ代入して、2を3つの式に‥という方向で埋めていくことになり、やってみると、ちょっと面倒な印象です。
樹形図をかくなら、B→Aの順にかくと、1つの文字式に、代入する数を1〜5で変えて計算していく感じになり、こっちの方が頭を切り替えずに計算しやすいのでは、と思います。A→Bの順よりも、手順としてはいいような気がするのです。
樹形図ではなく表をかくと、この「方向のすりかえ」はしれっとできるわけです。横に埋めていくのか、縦に埋めていくのか、文字通り縦横無尽に考えられます。
そして、すべての場合を図表を使ってもれなくダブりなく並べ尽くすとき,樹形図が適しているのか,表が適しているのか,切り替えができるとより力がつくと思うのです。
偶然(試行)が2つのときは,樹形図よりも表の方がすっきり考えやすいことが多い、ということを知っているといいのでは? というのが、このnoteのシリーズの一貫した主張です。
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