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千葉県|公立高校入試確率問題2021

 大小2つのさいころを同時に1回投げ,大きいさいころの出た目の数を$${a}$$,小さいさいころの出た目の数を$${b}$$とする。
 このとき$${\dfrac{a+1}{2b}}$$の値が整数となる確率を求めなさい。ただし,さいころを投げるとき,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

分類 11「分子判定の基礎⑥」代入その1

大小2つのさいころなので表

 まず大小2つのさいころなので、表を書いて考えるところまではよいでしょうか。

 あとは、出る目それぞれについて、地道に代入して考えることにしてみましょう。

 表で考えるときに、その書き方には工夫がいるかもしれません。ここでは$${a}$$が1のとき条件の分子$${a+1}$$=2・・・$${b}$$が3のとき条件の分母$${2b}$$=6・・・,というのをそれぞれいったん書いておいて、それを各枠で分数にしていくというやり方で、表をつくってみました。これを書かずにいちいち代入すると面倒で、このように分子と分母が各行・各列で何になるかを書いておくと,分数にするときに機械的に操作ができるよさがあります。
 こうした表をかかずに暗算に頼る人もいますが、目で見ながらチェックができるようにちょっとスピードを落としてでも丁寧に書いた方が、ミスを防げると思います。

【研究】条件から迎えに行けるか

 さて、たぶんこうやって表にどんどん入れていくよりも,分数が整数になる場合はどんな場合か、条件にあてはまる場合を探す「条件から迎えに行く」アプローチで、あてはまる場合を絞っていく方向で考えてみましょう。

 分母は偶数なので分子も偶数である必要があります。なので$${a}$$は奇数の場合を考えればよいです。
 分子の最大は6ですので、分母の最大も6,つまり$${b}$$の最大は3になります。
 ここまで条件を絞っておけばあとは$${a}$$からでも$${b}$$からでも,あてはまる場合を考えて行けばいいでしょう。

 まずは$${a}$$から考えて行く発想で条件を満たす場合を探してみましょう。
$${a}$$=1のときは分子$${a+1}$$=2、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${2b}$$=2つまり$${b}$$=1のときだけ。
$${a}$$=3のときは分子$${a+1}$$=4、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${2b}$$が2か4であればOK。つまり$${b}$$=1と$${b}$$=2だったら条件を満たす。
$${a}$$=5のときは分子$${a+1}$$=6、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${2b}$$が(偶数なので)2か6ならよい。つまり$${b}$$=1と$${b}$$=3で成り立つ。
 つまり(a,b)の組は(1,1)(3,1)(3,2)(5,1)(5,3)の5通り。

 $${b}$$から絞っていく方向だったらどうでしょうか。
$${b}$$=1のときは分母$${2b}$$=2、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${a+1}$$が2か4か6のとき、ということになる。つまり$${a}$$が1か3か5のとき、ということになる。
$${b}$$=2のときは分母$${2b}$$=4、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${a+1}$$は8以上にはならないので4のときだけとなり、$${a}$$=3のとき。
$${b}$$=3のときは分母$${2b}$$=6、$${\dfrac{a+1}{2b}}$$が整数になるのは$${a+1}$$が6のときだけ。つまり$${a}$$=5のときということになる。
 つまり(a,b)の組は(1,1)(3,1)(5,1)(3,2)(5,3)の5通り。(上のと、順番がちがうだけですね)

 $${a}$$や$${b}$$の条件が絞る力があるなら,このどちらの方向で攻めてもいいのではないでしょうか。ポイントは,いろんな攻め方を知っていること,思いついて使えるようになること、と思います。

$${\bm{\dfrac{5}{36}}}$$

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