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応用編〈3〉 裏返す

 図1のように,袋の中にA,B,C,Dと書かれた玉が1個ずつ入っている。また,表が白,裏が黒で同じ大きさの正方形のタイルが4枚ある。その中の1枚は,両面にAと書かれていて,他の3枚も同じように1文字ずつB,C,Dと書かれている。最初,図2のように,AとDが白,BとCが黒であるようにタイルを並べておき,次の操作を2回繰り返してタイルの色を調べる。

画像2

(操作)
① 袋から玉を1個取り出す。
② 取り出した玉の文字と同じ文字が書かれたタイルを裏返す。
③ 取り出した玉を袋にもどす。

 例えば,1回目にBの玉,2回目にDの玉を取り出したとき,タイルの色は

確率問題のパターンを知っておこう2応用-25

になる。
 このとき,次の問いに答えよ。ただし,玉の取り出し方は,同様に確からしいとする。(福井県2012)

(1) すべてのタイルが同じ色になる玉の取り出し方は全部で何通りあるか。
(2) 白と黒のタイルが2枚ずつで,それぞれの色の長方形が1つずつできる確率を求めよ。

問題を解く前に・・・

 ここでは《場合分け》をよく使います。どんな《場合》に分かれるのか,モレなくダブりなくリストアップすることが大切です。「これで全部か? 漏らしててる場合はないか?」そして「この場合とあの場合でダブってないか? 同じもの混じりこんでないか?」と,たえずアンテナを張って考えておく必要があります。

(1)を解く

 以下、例えば1回目にA、2回目にCを出すことを[A-C]と表すとする。

 すべてのタイルは同じ色になるということは・・・すべてのタイルが黒になるか、すべてのタイルが白になるかのどちらかだったらよい。

 つまり、次の2つのどちらかが起きればよい、ということになる。

スライド1

《場合分け》

❶すべてのタイルが黒になる場合は、AとDが裏返ればよいので、[A-D]と[D-A]の2通り。

❷すべてのタイルが白になる場合は、BとCが裏返ればよいので、[B-C]と[C-B]の2通り。

なので、あわせて4通り。

(2)を解く

 すべての場合(分母)は、つぎの樹形図によって、16通り。

スライド2

 さて、分子です。判定条件の「白と黒のタイルが2枚ずつで,それぞれの色の長方形が1つずつできる」ときとは、具体的にどんなときでしょうか。

 それにあてはまるすべての場合を,次の4つに場合分けしておきましょう。

スライド3

《場合分け》

❶■■
 □□   [A-C][C-A]

❷□□
 ■■   [B-D][D-B]

❸□■
 □■    [C-D][D-C]

❹■□
 ■□    [A-B][B-A]

あわせて通り。すべての場合は16通りなので、その確率は

$${\dfrac{8}{16}=\bm{\dfrac{1}{2}}}$$

答え

(1) 4通り   (2) $${\bm{\dfrac{1}{2}}}$$

類題

裏返す系の問題には、そのほかオセロ、カード、スイッチのオンオフなど。
宮城県2022大分県2022宮崎県2022大阪府C2021、高知県2020神奈川県2017香川県2014福島県2015熊本県2013福井県2012兵庫県2012、栃木県2010、愛知県A2010、熊本県A2010、茨城県2008、熊本県A2007、山口県2005、鳥取県2004 など


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