島根県|公立高校入試確率問題2023
分類20 見た目同じことが起こる偶然-色玉
(1)図がないときはまずはイメージ
問題に図はありません。まずはイメージを。
ここからまずは球を1つだけ取り出します。起こりうるすべての場合は4通りで,そのうち赤球が出る場合は3通りですので,その確率は,$${\dfrac{3}{4}}$$ですね。
(2)同様に確からしいことがらを区別
1番の問題は初歩の初歩で,つまづきようがない問題に思われます。ところが,偶然が2回以上になると,頭の中だけで考えようとすると途端に混乱します。そのため,かいたり下準備したりする必要があります。
3つの赤球にそれぞれ区別をつけます。後々のことも考えて,ここでは,赤球3個に1~3の番号を,白球に4番をつけて考えることにしましょう。
こうすると,起こることが同様に確からしいことがらを区別することができます。
この場合「2回続けて取り出す」ですので,同じ球を2回とることはありません。表をかいて考える場合は,対角線を消すP型の表になります。
すべての場合は12通りで,2回とも赤となる場合は6通りですので,求める確率は$${\dfrac{6}{12}=\dfrac{1}{2}}$$となります。
(3)もとに戻さないときと,戻すときのちがい
同じように表をかいて考えますが,今度は戻しませんので表をいじらないX型の表になります。
起こりうるすべての場合は16通りで,そのうち2回とも赤い球になるのは9通りですので,その確率を求めると$${\dfrac{9}{16}}$$になります。(2)の場合よりも,やや確率が高くなりますね。
答
【研究】 取り出して,戻さずもう1回。だけど取り出す順序は実は関係ない
2番目の今回の判定条件は「どちらも赤球であるかどうか」です。
この条件は,取り出した順序は特に問われません。これは12通りある
[1-2の順番で取り出す場合]・[2-1の順番で取り出す場合]
[1-3の順番で取り出す場合]・[3-1の順番で取り出す場合]
[1-4の順番で取り出す場合]・[4-1の順番で取り出す場合]
[2-3の順番で取り出す場合]・[3-2の順番で取り出す場合]
[2-4の順番で取り出す場合]・[3-2の順番で取り出す場合]
[3-4の順番で取り出す場合]・[3-4の順番で取り出す場合]
を,それぞれ2つずつまとめて6つの場合
[1-2の組合せで取り出す場合]
[1-3の組合せで取り出す場合]
[1-4の組合せで取り出す場合]
[2-3の組合せで取り出す場合]
[2-4の組合せで取り出す場合]
[3-4の組合せで取り出す場合]
と考えて判定できるので,その確率を求めても大丈夫,ということです。
2回に分けて取り出しても,同時に取り出したとして考えても確率は変わらない,ということで,C型,対角線の左下の方を消した表で確率を求められます。
オーソドックスに,まじめに解いてももちろん大丈夫な問題なのですが,上を目指したい人はこうやって楽をする方法(テクニック)を身に着けてもいいですね。
ただし,「テクニック」は使える場合と使えない場合があります。これが例えば「1回目に白球,2回目に赤球を取り出す確率」となっていると,順番が関係しますので,この【研究】の方法は使えない,関係ない,ということになります。何事もテクニックにおぼれすぎないように。
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