応用編〈6〉 並べる
問題を解く前に・・・
これも、まずは問題文を読み解いて、何を言っているか理解するのにちょっと時間がかかる問題ですね。もしかしたら入試問題の1問として出されたら、「確率の問題」と思うまでにも時間がかかるかも知れません。
何が偶然として起こるのか?
をしっかりとらえるようにしましょう。
偶然として起こるのは「玉が左右どちらかの部屋に入る」ことですね。そして問題文に書いてあるように、それぞれの玉が左右どちらの部屋に入るかは,同様に確からしいのです。
(1)・・・
さて、まずどんな図をかきましょう? 玉を3個入れれば偶然は3回、玉を4個入れれば偶然は4回起こりますので、樹形図ですかね。1回入れる度に、その玉が「右」に行くか「左」に行くかで、樹形図を書いてみましょう。
樹形図に書き込むのは右・左でもいいし、←・→とか、英語だとL・Rとか、書きやすくて、あとで見てもわかりやすければ、何でもいいです。この場合は漢字でも大した画数ではないので、漢字で書いておきましょう。(LとRがどちら左右か一瞬で分かるようならL・Rの方が書きやすいのですが)
全部の場合の数(分母)は8通り。
もういろいろと書き込んじゃいました。判定条件は、3個入れたときに玉がどういう状態にあるか? ということですね。
そして、白玉が隣り合っているのは2通り(分子)。なので確率は 1/4。
(2)
この調子で、(2)も樹形図→その時の箱の中の状況までを書いてしまいましょう。
全部で16通りのうち、「白玉と白玉の接触,または黒玉と黒玉の接触の,少なくとも一方が起こる確率」が起こっているのは、○をつけた6通り。
というわけで答えは 6/16 = 3/8
問題を解いたあとに・・・
今後のために、別解を書いておきます。考え方を広げておきたい人は次も読んでおくといいかもしれません。どうぞましょう。
(1)樹形図を書かずに解いてみましょう。求めたい確率は「白玉どうしが接触する」確率です。それはどういうことか、というと「玉が1回目と3回目で同じ方に入り、2回目だけ違う方に入る」確率と考えるとどうでしょう? 1回目が左右どちらに入っても、こういうことになります。
あら、表を書いたら確率は 1/4。パッと出ちゃった。
・・・でも「こうも解けるよ」ぐらいの別解です。これを思いついたら、すごい! ぐらいの別解です。思いつかなくても、がっかりしないで大丈夫です。このぐらいの問題なら、頭だけでグチャグチャ考えて楽しようと思わずに、しっかり図をかいて答えを出す練習をしておいた方がいいと思います。
そして、別の問題でこれを思いついたら心の中でガッツポーズしてくださいね。
ところが、(2)になると、この考え方をやると途端に危険になります。なぜかというと、「白い玉同士が接触している」場合と「黒い玉同士が接触している」「白い玉同士も黒い玉同士も接触している」もあるからです。これはちょっとこんがらがる。高校で「排反な事象」などを習ってからやった方がいいでしょう。
このnoteは「受験のために早く解くテクニック」をあまり重視していませんので、これはあくまで(1)の別解ということで。
類題
神奈川県2023、福井県2021、沖縄県2013,神奈川県2005
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