融合問題編《B1》中1・2図形範囲
純粋な図形の問題と融合問題、という分類をしたので,このカテゴリーには「パターン化」できない雑多な問題が混じっています。そこで、このnoteでは何問か紹介することにします。
図形の問題は、特に問題に書いてあることを,もうちょっと使える形に「読みかえる」力が試されています。そういう意味では,確率の問題というより、ほぼ図形の問題として問題を読み解けるかどうか,にかかっている,と言ってもいいでしょう。
問題を解いてみよう
問題1
(1)
「線分CPの垂直二等分線が点Bを通る」を、もう少し「使える形」に読みかえていく。
「線分CPの垂直二等分線が点Bを通る」と言うことは「PB=BC」である、ということです。PB=10cmなので、AP(x)は3cm。
(2)
「点Aを,点Pを中心として180°回転移動した点が、線分BC上にある」を、もう少し「使える形」に読みかえていく。
まず、「点Aを,点Pを中心として180°回転移動した点が、半直線BC上にある」ためには、AP≧PBである。つまり、x≧13/2(=6.5)・・・①
もうひとつ、「点Aを,点Pを中心として180°回転移動した点が、CよりB側にある」ためには、2AP≦AC、つまり、x≦23/2(=11.5)・・・②
xが6.5以上11.5以下になるのは,下の表で色で塗ったところ、20通りである。
なので、求める確率は $${\dfrac{20}{36} = \dfrac{5}{9}}$$
問題2
たぶんこの問題のポイントは、たとえば1回目に[B]、2回目に[F]が出たときです。これらを結んだ線分は,結局2点ABを結んだ線分になる,ということに気づきますか? もちろん確率を使う問題なのですが,それをクリアしないと正解ができない、と考えると、この問題は確率の問題と言うよりは,図形の知識を確率を絡めて問うている問題、ということができるでしょう。
表は次のようになります。(確率のことで言うと、取り出すときに元にもどしていることに注意)
というわけで求める確率は、$${\bm{\dfrac{16}{25}}}$$。
問題3
表はこのようになります。
やはりポイントになるのが、AB=BC=BF=EFなので△ABFや△DEFが直角二等辺三角形であることに気づくかどうかです。そうすると∠CAFが直角であり、△ACFが直角二等辺三角形になること、同じように∠AFDと∠DFAが45度になるので、∠AFDは90度になるので、△AFDはやはり直角三角形であることがわかります。ポイントはやはり図形の問題になりますね。
答えは、$${\bm{\dfrac{7}{10}}}$$。
問題を解いたあとに・・・
繰り返しになりますが、どうも入試問題集などでもこうした融合問題は「確率」問題として分類をされます。もちろん他の領域に比べて確率は独特、というところはあるのですが、しかし問題の中身を見ると,確率として問われていることはごくごく基本で、問題が正解できるかどうかの本質の所は、図形だったり関数だったりするのです。
このカテゴリーの問題
三重県前期2023(立体)、千葉県2015(立体)、神奈川県2020年(立体)、北海道裁量問題2016(立体の断面)、福井県2020(三角形ができる)、滋賀県2020年(等積変形),富山県2011年(三角形の性質)
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