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応用編〈5〉 並べ替える

 右のⅠ図のように,A,B,C,D,E,F,Gの文字が書かれた積み木が1個ずつあり,この順に下から積まれている。
 積まれた7個の積み木について,次の操作を行う。

無題

〈操作〉
手順① 1から6までの目があるさいころを1回投げる。
手順②
 手順①で1の目が出た場合,下から1番目にある積み木を抜き取る。
 手順①で2の目が出た場合,下から2番目にある積み木を抜き取る。
 手順①で3の目が出た場合,下から3番目にある積み木を抜き取る。
 手順①で4の目が出た場合,下から4番目にある積み木を抜き取る。
 手順①で5の目が出た場合,下から5番目にある積み木を抜き取る。
 手順①で6の目が出た場合,下から6番目にある積み木を抜き取る。
手順③ 手順②で抜き取った積み木を一番上に移動させる。

 たとえば,Ⅰ図の状態から〈操作〉を2回続けて行うとき,1回目の〈操作〉の手順①で2の目が出た場合,7個の積み木はⅠ図の状態から右のⅡ図の状態になり,2回目の〈操作〉の手順①でも2の目が出た場合,7個の積み木はⅡ図の状態から右のⅢ図の状態になる。
 このとき,次の問い(1)・(2)に答えよ。ただし,さいころの1から6までの目の出方は,同様に確からしいものとする。(京都府2020)

無題2

(1) 「図の状態から〈操作〉を2回続けて行うとき,〈操作〉を2回続けて行ったあとの一番上の積み木が,Gの文字が書かれた積み木となる確率を求めよ。
(2) 「図の状態から〈操作〉を2回続けて行うとき,〈操作〉を2回続けて行ったあとの下から4番目の積み木が,Eの文字が書かれた積み木となる確率を求めよ。

(京都府 2020年)

問題を解く前に

 とにかく問題文が長いので、めげそうですね。何を言いたいのか? 何が本質か? どんな図表を書けばすべての場合がカウントできるのか? 読み込むのに、いろんな要素がまじってしまいます。

 何が偶然として起こるのか? ということをしっかりまず把握しておきましょう。〈操作〉を2回続けて行う、ということは

 、。「1から6までの目があるさいころを1回投げる」(何か積木を動かす)「1から6までの目があるさいころを1回投げる」(またなんか積木を動かす)ということで、起こっている偶然としては「さいころを2回投げる」ということだ、ということをまずはおさえておきましょう。

分母

 というわけで、さいころ2回なので表。

スライド1

分子・・・判定条件

 こういう問題は、とにかく手を動かし手いろいろ書きながら、それを目で見て考えながら進めた方が、方針を立てやすいです。めんどくさがらず、いろいろ試行錯誤してみた方が、結局早いのでは、と思います。(そして、この問題は、いい具合に試行錯誤して考える方がピタッと答えに近づく問題です)

(1)

 まずは、1回目それぞれの目によって〈操作〉が終わったとき、積木がどうなっているか見てみましょう。

画像5

 あら不思議。1回目に何の目が出ても、Gは下から6番目にあるじゃないですか。ということで、2回目が終わった時点でGがいちばん上にあるためには、(1回目に何が出ても)2回目に6を出しさえすればいい、ということがわかります。

 なので、その確率は$${\bm{\dfrac{1}{6}}}$$。

 ちょっと心配な人は、表を書いてみてもいいです。1回目のところに書いてあるのは下から1番目→下から7番目の順。表の中のアルファベットは、2回目が終わった時点のいちばん上の積み木。

スライド2

(2)

 表を書いて、2回目が終わった時点の下から4番目が何になっているか、やってみましょうか。こんな感じになりますので、該当するのは色を塗った12通り。

スライド3

 答えは $${\dfrac{12}{36}=\bm{\dfrac{1}{3}}}$$ということになります。

(1) $${\bm{\dfrac{1}{6}}}$$   (2) $${\bm{\dfrac{1}{3}}}$$  

類題

神奈川県追試験2021石川県2020、福井県2019大阪府B2015長崎県2014B、香川県2009、熊本県A2009

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