奈良県|公立高校入試統計問題2024
① 箱ひげ図から読み取れること
ア 範囲
範囲とは,最大値と最小値の差のことで,箱ひげ図では左のひげの左端から右のひげの右端までの長さで表されます。
図を見ると,1組の方が大きいことがわかりますので,この選択肢は間違い。
イ 第1四分位数
箱ひげ図では,第1四分位数は箱(長方形)の左側の辺で表されます。
確かに5冊ですね。この選択肢は正しい。
ウ ある区間に含まれるデータの数
箱ひげ図では,四分位数・最小値・最大値の間に「データがある」ことしか示されません。
この図でも,この区間に「最大値を含めて,データがある」ということだけを示しているわけです。
が,第3四分位数が,すぐ左側の目盛りの間にあることと,データは整数の値を取ることを考えると,2組には37人いますから,小さい順にデータを並べたときの第3四分位数は
【28】番と【29】番の平均値であることがわかります。これが13冊より大きいですから,【29】番のデータは13冊よりも大きい,つまり14冊以上であることがわかります。したがって【30】番以降ももちろん14冊以上。【29】番から【37】番までは9つあります。
ということで,この選択肢は正しいです。
エ ちょうどその値であるデータの存在
13冊が2組のどこにあるかを見てみると,第3四分位数のすぐ右側の目盛りであることがわかります。第3四分位数は,先ほどのウで見た通り,【28】番と【29】番の平均値であることがわかります。【28】番と【29】番のデータの値が何であるか,考えられるのは,
13冊と14冊のほかに,12冊と15冊,11冊と16冊かもしれません。というわけで,必ず13冊であるとは言えませんので,この図からはわからない,ということになります。
また,1組の第3四分位数は13冊となっていますが,
第三四分位数は,小さい順にデータを並べたときの【27】番と【28】番の平均値です。どちらも13冊であるかもしれませんし,12冊と14冊かもしれませんね。ここからも,正しいとは言えない,ということがわかります。
② 標本の選び方
標本調査を行う時は,母集団(調査対象全体)から標本(調査のために母集団から取り出されたものの集まり)を抽出(取り出す)わけですが,標本の抽出方法は,母集団の状況をよく表す方法である必要があり,かたよりなく標本を抽出しなくてはなりません。母集団の全体から,さいころやコンピューター,乱数表・くじなどをつかって,無作為に抽出することになります。
ところが問題では,「1組」「2組」といった,学校側の「作為」が入った集団を標本として選ぼうとしています。(たぶんクラス分けをするときに,無作為にランダムにクラスを割り振りしている学校って,ないと思います・・・)
その証拠に,箱ひげ図が違っていて,2つの組で読書の傾向が違いますよね。
答
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