10/15 内部監査という選択:多様な人財が活きる新たなキャリア(第10回)
結婚や出産などで職場を離れた方へ(柔軟な働き方を実現)
本連載では、内部監査という職業が持つ可能性や魅力を、私自身の20年以上にわたる経験をもとに、全15回にわたってお伝えしています。
はじめに
前回は30~50代のゼネラリストとして幅広い業務経験を積んできた方向けに、内部監査というキャリアの可能性についてお伝えしました。今回は、結婚や出産などのライフイベントを経て職場を離れた方々が、内部監査という職種でどのように柔軟な働き方を実現できるのかをご紹介します。
1. 内部監査が提供する柔軟な働き方
結婚や出産などのライフイベント後に職場復帰を考える際、多くの方が「無理なく働ける環境」や「家庭との両立」を重視します。内部監査は、そうしたニーズに応える職種としての可能性があります。
計画的に進められる業務が多くある
内部監査は年間計画に基づいて業務が進行するため、急な対応や突発的な業務を避けられる可能性もあり、比較的スケジュール管理がしやすい側面があります(※ただし、これは役割や立場次第であることに留意が必要です。部門の責任者や管理職などの場合には、急な対応や突発的な業務は避けられないと思料します。)リモートワークや柔軟な勤務形態が可能なケースもある
最近では、内部監査の現場でもオンライン会議やデジタルツールを活用する機会が増えており、リモート勤務が可能な企業も多くなっています。チームで進める仕事
組織の規模にもよりますが、内部監査は単独で行う業務だけではなく、チームで計画を共有しながら進める仕事です。そのため、メンバー間で相互にサポートし合いながら、柔軟な働き方を実現できるケースもあります。
2. 内部監査で得られるキャリアの魅力
内部監査は、ライフイベントを経た方にとっても、新しいキャリアの選択肢としても、魅力を感じている方が多い職場だと思います。
キャリアの中断を補う成長機会
内部監査では、企業の全体像を把握し、業務プロセスの改善を提案するスキルが求められます。これらのスキルは、キャリアの中断を埋め合わせ、成長を実感できるきっかけにもなるでしょう。幅広いバックグラウンドを活かせる
これまでの職務経験や家庭での視点、多様な価値観が内部監査の現場では大きな強みとなります。柔軟なキャリアパス
内部監査で培った経験は、経営企画やリスク管理など、将来的に他分野へのキャリア展開も可能にします。
3. 職場復帰を目指す方へのアクション・ステップ
内部監査を新たなキャリアとして検討する際には、以下のステップが参考になります。
内部監査の基本知識を学ぶ
リスク管理や内部統制などの基礎知識を学ぶことで、転職活動や職場復帰後の業務への順応がスムーズになります。柔軟な働き方が可能な企業をリサーチする
リモートワークやフレックスタイム制度の有無など、企業の働き方に注目して調査をすることをお勧めします。内部監査部門は、多様な人財を求めています。教育・研修プログラムを活用する
復職者向けの教育・研修プログラムやOJTを実施している企業の制度を積極的に利用することをお勧めします。
4. まとめ:柔軟な働き方と新たなキャリアの両立
内部監査は、結婚や出産などのライフイベントを経た方々にとって、また新しいキャリアを築くための選択肢としても、大きな可能性を秘めています。柔軟な働き方を実現しながら自己成長を目指せるこの職種は、次のステップを検討する際にぜひ注目して頂きたい分野です。
次回は、「介護などの家庭の事情を抱えながらも、キャリアを諦めたくない方」に向けた内部監査の可能性についてお届けします。