見出し画像

11/15 内部監査という選択:多様な人財が活きる新たなキャリア(第11回)

介護などの家庭の事情を抱えながらも、キャリアを諦めたくない方へ(柔軟な働き方と専門職への道)
本連載では、内部監査という職業が持つ可能性や魅力を、私自身の20年以上にわたる経験をもとに、全15回にわたってお伝えしています。

はじめに

前回は結婚や出産などのライフイベントを経て職場を離れた方向けに、内部監査というキャリアの可能性についてお伝えしました。今回は、ご家族の介護やその他の事情で、新しい働き方を模索されている方に向けて、内部監査がどのようにそのニーズに応えられるかを解説します。




1. 内部監査が提供する柔軟な働き方

介護などの家庭の事情がある場合、仕事を続ける上では、特に「柔軟な勤務時間(時短なども)」、「予め決められたタスク・スケジュールに沿った運営」、「リモートワークの可否」などが重要になると思います。内部監査は、こうしたニーズに応える職種としての可能性があります。

  • 計画的に進められる業務が多くある
    内部監査は年間計画に基づいて業務が進行するため、急な対応や突発的な業務を避けられる可能性もあり、比較的スケジュール管理がしやすい側面があります(※ただし、これは役割や立場次第であることに留意が必要です。部門の責任者や管理職などの場合には、急な対応や突発的な業務は避けられないと思料します。)

  • リモートワークや柔軟な勤務形態が可能なケースもある
    最近では、内部監査の現場でもオンライン会議やデジタルツールを活用する機会が増えており、リモート勤務が可能な企業も多くなっています。さらに、企業や組織によっては、時短勤務やフレックスタイムを認めているケースもあります。例えば、日中に一定時間働けば、残りの勤務時間を早朝や夜間に振り替えることが可能とする制度を採用している企業もあります。(※ただし、限られていると思います。)

  • チームで進める仕事
    組織の規模にもよりますが、内部監査は単独で行う業務だけではなく、チームで計画を共有しながら進める仕事です。そのため、メンバー間で相互にサポートし合いながら、柔軟な働き方を実現できるケースもあります。


2. 内部監査が提供するキャリアの魅力

内部監査は、柔軟な働き方を実現するだけでなく、介護を続けながらも成長を実感できるキャリアを提供します。

  • 時間管理スキルを活かせる
    介護をしながら働く方は、限られた時間で効率的に仕事をこなす力を自然と身に着けていると思います(実体験です)。このスキルは、内部監査の計画的な業務において大いに役立ちます。

  • 多様な視点が求められる職種
    内部監査では、リスク評価や業務プロセス改善の提案において、多様な価値観や背景が重視されます。家庭での経験や、介護を通じて得た視点も大きな強みとなります。

  • 中長期的なキャリアパスが見える
    内部監査の経験は、将来的にリスク管理部門や経営企画など、他分野へのキャリア展開にもつながります。介護が落ち着いた後も、さらに挑戦を続けることが可能です。


3. 新たな働き方を目指す方への行動ステップ

内部監査を新しいキャリアとして検討する際、以下のステップが参考になります。

  1. 転職や復職活動で希望条件を明確にする
    最近では「リモートワーク可」という職場は増えていますが、「時短勤務」を認める企業や組織はまだ限られています。そのため、転職活動や復職活動を始める際は、希望条件を具体的に整理した上で職場選びを進めることが重要です。例えば、「リモートワーク可」や「時短勤務」などのキーワードを使って転職サイトで検索対象を絞り込むこともできます。また、企業によっては、求人票などに記載がない場合でも、応募時/面接時に家庭の事情を伝え、一時的に時短勤務を交渉できるケースもあります。

  2. 内部監査の基本知識を学ぶ
    内部監査はもちろん、監査対象となるリスク管理や内部統制などの基礎知識を学ぶことで、転職活動や職場復帰後の業務への順応がスムーズになります。

  3. 内部監査の働き方について調べてみる
    上場企業であれば、内部監査機能が整備されています。ただ、その人員規模は1名から数百名など、様々です。比較的規模が大きい内部監査部門の場合には、様々なライフステージの方が在籍されています。お知り合いの方を通じて、ヒアリングをしてみるのも良いかもしれません。


4. まとめ:家庭とキャリアの両立を実現する可能性のある職種

内部監査は、柔軟な働き方とキャリアを両立したい方にとって、魅力的な選択肢の一つです。介護などの事情で時短勤務が必要な時期でも、スキルを磨きながら、将来的にフルタイムや新たなキャリアへの移行を視野に入れることができます。

次回は、「公認会計士や税理士など、専門資格を活かした転職を考えている方」に向けた内部監査の可能性についてお届けします。

いいなと思ったら応援しよう!