月冴ゆる剣
寒空低く
冴え渡る月の刃
契りを交した
あの日を
おまえは覚えているか
凍る指先に
おれの血潮が触れた時
冷たさに打ちひしがれし
三日月の瞳に
赤銅の焔が宿ったろう
青くか細い腕を取り
新たな世界に踏み出すと
おまえの心は狂喜に打ち震え
血管を遡り
おれの心臓へと伝播した
剣月の元にふたり
確かな絆を分かちあい
互いの運命は解けぬ程に
しっかりと、複雑に、絡み合った
青天霹靂
先に往くとは
今、おまえは
赤銅のゆりかごで
長い睫毛を揺らせながら
静かな寝息をたてているのか
体温に似た
凍える剣月に寄り添い
あの時点った焔の瞳で
おれをそこから、見つめているのか