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燃え尽き症候群を防ぐ|ロジックツリーとChatGPTの話

今読んでいる本「新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術」で紹介されているロジックツリーが便利だと思ったので、その話をしたいです。


ロジックツリーとは

ロジックツリーとは、問題の原因を深掘りしたり、解決策を具体化するときに、限られた時間の中で広がりと深さを追求するのに役立つ技術である。

齋藤 嘉則, 2010, 新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

ロジックツリーを使うと、例えば今従事しているプロジェクトが嫌になった時に、その原因となりえる要素とその因果関係を一覧化でき、同僚や上司に客観的に説明できます。これは、スローガンのような、ただの精神論で済ましてしまう曖昧な解決策ではなく、具体性のある実行可能な解決策を見出すことにもつながります。

個人的にロジックツリーに注目した理由は、ロジックツリーが2年前に自分自身で解決した問題をより手堅い方法で解決してくれるのではないかと思ったからです。

2年前に経験した問題とその解決策

2年前に経験した問題とは、その当時従事していたプロジェクトで複数ベンダーとの不毛なミーティングにほぼ毎日参加するうち、心理的に疲弊してしまい、プロジェクト自体に嫌気が差してしまったという問題です。
この問題の一番深刻なところは、ミーティングのみならず、プロジェクト自体も嫌になってしまったということです。

今から思うと、これはバーンアウト(燃え尽き症候群)の兆候でした。

実践した解決策は、下記の4ステップです。

  1. プロジェクトの目的と、その目的を達成する手段の一部に過ぎないミーティングを切り分けて、

  2. プロジェクトの目的そのものは嫌ではないことを再確認し、

  3. 今度は、ミーティングの目的を事前に再確認し、目的が明確になったミーティングだけに参加。

  4. 上記をプロジェクトメンバーに通知。

この解決策は良く機能し、おかげで燃え尽きることもなく、再度自分自身をモチベートできました。
(当時はステップ1の切り分けて考える力を「分解力」と勝手に命名し、何か問題が発生した時は、この分解作業をまずは実践していました)

しかしながら今思うと、上記4ステップの解決策が機能した一番大きな要因は、単純にこのプロジェクトがメンバー数人の小さなものであったからだと思っています。
問題が個人だけのものに留まっていたおかげで、容易に実行可能な解決策になっていたのだと思っています。

より大きなプロジェクトになると、人間関係は複雑になり、問題解決に向けて他のメンバーと交渉が必要は場面が出てきます。
例えば、ミーティングの目的を明確にするのに他のメンバーの協力が必要な場合、そのメンバーに時間を割いてもらうためにも、納得できる理由を説明する必要があります。

もちろん親切心で手伝ってくれるメンバーは多いでしょうが、納得できる理由なしに時間を割いてもらうことは、そのメンバーを目的が不明確なタスクに従事させることと同じなので、今度はそのメンバーが疲弊(最悪の場合はバーンアウト)してしまうことが予想できます。
ですので、やはり納得できる理由を伝える必要はあると思っています。

納得できる理由を考えるのは時間がかかる

しかしながら、納得できる理由を考えるのは時間がかかります。

個人的な問題であっても、他のメンバーが納得できる理由を用意するには、客観性が必要であり、そのためには頭の中で整理するだけではなく、外からの情報も取り入れて、さまざまな因果関係をできるだけ網羅的に検証する必要があるからです。
(プライベートではなく仕事の場合の話です)

ここでロジックツリーとChatGPTの登場です。

ロジックツリーは、上記作業のガイドラインとなり、ChatGPTは作業を自動化してくれます。

ロジックツリーで網羅的に因果関係を検証

網羅的に因果関係を検証するには、「WHY」を自問自答し続け、広く深いロジックツリーを作成する必要があります。

出典元:新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術P104

広く深いロジックツリーにする目的は、下記のとおりです。

  • ロジックツリーを広げることで、原因の漏れがないようし、

  • ロジックツリーを深くすることで、具体的な解決策に繋げる。

ChatGPTでロジックツリーを生成

「WHY」を自問自答し続けるのは時間がかかる上、ストレスフルな作業なので自動化したいですね。

ということで、この作業はChatGPT(GPT4o)にやってもらいました。
実際に生成されたロジックツリーは下記ページで確認できます。

(今回の問題はバーンアウト(燃え尽き症候群)を起こす可能性があった問題なので、バーンアウトの研究で有名なMBI (Maslach Burnout Inventory)が提唱するバーンアウトの3要素(「情緒的消耗」「脱人格化」「個人的達成感の低下」)をロジックツリーの第一階層にして生成してもらっています)

ロジックツリーを活用して客観的に説明

生成されたロジックツリーを上から順に調べた結果、今回の不毛なミーティングに該当するのは、

「個人的達成感の低下 -> キャリアの停滞感 -> 目標や目的の不明確さ」
のようです。

上記を考慮して、上司や同僚に自分自身の状況を説明する場合、下記のように客観的に説明できると思います。

「目的が不明確なミーティングに参加し続けることは、キャリアの停滞感、そして個人的達成感の低下につながります。これはバーンアウトにもつながりえるので、全てのミーティングは事前にその目的を明確にしたいです」

ちなみに、バーンアウトとワークエンゲージメントは負の相関関係にあるので、バーンアウト指数を下げることは、ワークエンゲージメント指数を高めることにつながります。今は、日本の多くの企業が人的資本経営に取り組んでおり、従業員のワークエンゲージメント指数を開示しています。そして、この指数を高めることは企業価値の向上にもつながりうるので、ミーティングの目的を毎回明確にすることは、経営者の視点から見ても、有意義な取り組みだと言えるでしょう。

以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

(写真はベトナムのダナンにある東屋ホテルという日系ホテルの屋上露天風呂で撮った写真です。私以外にお客さんがいなかったので、スタッフに許可をもらって撮影しました。サウナ水風呂完備でしっかり整えます)

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