【時事抄】 総理大臣9年ぶり米国公式訪問
岸田首相が米国を訪問して大統領を会談しました。国賓待遇での米国訪問で、日本の総理大臣による公式訪米は9年ぶりとなります。14日の帰国まで気は抜けないですが、ここまでに至る外務省をはじめとする関係各省庁の担当者たちの各種準備と調整作業、ご苦労様でした。
日本経済新聞の記事から訪米初日の様子を見てみましょう。
<要約>
米国を訪問中の岸田首相は10日、ホワイトハウスでバイデン大統領と面会し、共同声明を発表した。会談は1時間半に及び、声明では日米同盟を「防衛的なもの」と明言して、軍事力の増強を進める中国などへの抑止に軸足を置く姿勢を明確にした。
覇権主義国家の台頭によって揺らぐ国際社会を守るべく、日米同盟を軸に他の同盟国と抑止力の統合にも意欲を見せた。米英豪の安全保障枠組み「AUKUS」へ日本が技術面で協力し、11日には日米比による初の首脳会談を予定し、同盟・同志国との「統合抑止」を増強する。
バイデン大統領は、尖閣諸島が対日防衛義務の適用対象であることに「揺るぎない」との決意を明言した。日本が2022年末に決めた国家安保戦略など「安保関連3文書」を踏まえた日米の防衛協力が話題にもなり、自衛隊と在日米軍が部隊運用一元的に指揮する仕組みを整備し、その具体案を協議した。
一方、中国との対話を継続する姿勢も明らかにした。岸田首相は「あらゆるレベルで中国と緊密に意思疎通を図っていく」と語り、バイデン大統領も「双方の意思疎通ラインを改善し続ける」と説明した。
外務省のホームページによると、岸田首相の訪米日程は次のとおりです。
(太字は筆者にて)
米国はウクライナや中東情勢で手一杯。バイデン大統領は11月の大統領選挙で前職トランプ氏を迎え撃つべく、自身の選挙対策に力を注ぎたい。「アジアのことはアジアで」というのが本音で、その視点から出た「統合抑止」ということでしょう。