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絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 9

線の練習のおさらいです

前回お話しした5本の線、引いてみましたか?

きっとあのように意識して、1本の線を引いたことはなかったと思います。

「1本の線に気持ちを込めて、意識した線で絵を描く」

とても大切なことですので、心に留めておいてくださいね。


ところで、線を引いたときにどのように鉛筆を持ちましたか?

文字を書くときと同じ持ち方でしたか? それとも違う持ち方をしましたか?


結論から言えば、どんな持ち方でも良いのです。

「えっ⁉ そうなの?」

という声が聞こえてきそうですが、絵を描くときは様々な線を用います。

文字を書くように鉛筆を立てて、細部を描きこむこともあれば、寝かせて塗る感じで陰影をつけることもあります。

ですから、その時々にあった鉛筆の持ち方、しかも自分に合った持ち方を見つけることが大切なのです。


では、どのように腕を動かしましたか?

長い線を引くには、小さな文字を書くように指を動かしてはいけません。

指や手首は動かさず、肘や肩を支点にして引くことが大切です。

ちょっとしたコツですが、くり返し練習して感覚をつかんでくださいね。


では、もう少し線の練習を続けましょう。


次は、縦線です。

横線の時と同じサイズの紙を、縦向きに置きましょう。

そして、紙の上から下まで、引き始めから終わりまで、1本の線に集中して気持ちを込めて、まっすぐに5本引いてください。


どうですか?

横線とはまた感覚が違うのではないでしょうか?


次は、波線を引いてみましょう。

紙を横向きに置き、端から端まで、気持ちよくリズムに乗って引いてみましょう。

大きな波、小さく細かい波など、皆さんの個性が表れているのではないでしょうか。

そうそう、縦の波線もお忘れなく。

できたら、斜めの波線も挑戦してみてくださいね。


では最後は、渦巻きです。

「だいたいこの辺かな?」で良いですので、紙の中心あたりに点を打ってください。


はい、そこからスタートです。

ぐるぐるぐると紙一杯になるまで、出来るだけ間隔を詰めて、渦巻きを書いていきましょう。

これも、右巻き、左巻きとやってみてくださいね。


今回は、いろいろなエクササイズをやってもらいましたが、いかがでしたか?

楽しんでもらえましたか?


絵を描くには、形に添ったいろいろな線が必要です。

ですから、今回の線にこだわらず、いろいろな線を楽しく、遊び感覚で練習してくださいね。

そのとき「1本の線に集中して、気持ちを込めて引く」ことは意識しすぎないでください。

意識しすぎると、どうしても力が入り、のびやかな線が引けないのです。

ですから「力を入れないで、リラックスして引く」ことの方が、とても大事なんです。

続けていくうちに、手が慣れ、自分なりに意識した線が引けるようになると思います。

「大人の美術教室」今日はここまでです。

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