台湾で一番つまらない街、空の玄関「桃園」を散策してみる
台湾の空の玄関、桃園。
台湾に入国するとき、どの空港を使っていますか?
ほとんどの人が桃園空港だと思います。
空港に着いたら、どうしますか?
MRTで台北? 新幹線で台南、高雄?
すぐに空港から離れますよね。
では、空港の街・桃園の中心部へは行ったことはありますか?
日本のガイドブックでは、「空港以外、何もないでしょう?」と言いたげに何も紹介しないでスルーしていますね。
台湾地元でも
空港以外何もない、美食・文化砂漠の街
と呼ばれ、
桃園のおすすめの楽しみ方は
「電車で台北へGO」
「飛行機で日本へGO」
などと言われるほど、
常に台湾でつまらない街ワースト1の座をキープしています。
本当につまらないのでしょうか?
実際に行って確かめてみましょう。
桃園の中心部へは、空港から行くと少し不便ですが、台北からなら台湾鉄道でわずか約40分で到着、意外と近く感じます。
駅を出ると日本でもおなじみの百貨店があり、東京近郊でいえば立川や町田のような、郊外のショッピングタウンという雰囲気です。
こんなににぎやかなのに、本当につまらないのでしょうか?
早速駅前を散策してみましょう。
桃園軌道願景館
駅のすぐ近くに、日本統治時代に倉庫として使われていた建物があります。
今は、桃園を走る鉄道の過去と未来を紹介する博物館になっています。
展示室に入ると、目の前に桃園駅の模型があります。
日本統治時代の1913(大正2)年に建て替えた駅舎で、1階は洋風のデザインですが、屋根は神社やお寺に使っている唐破風を取り入れています。
とても豪華な駅ですね。
設計は従来の尺貫法ではなく、メートル法で行われました。
後で調べたところ、メートル法に変更する法律が公布されたのが1921(大正10)年で、完全に変更になったのが1959(昭和34)年です。
当時としては時代の最先端の方法を取り入れていたんですね。
隣のコーナーには、建設中の桃園地下鉄と桃園市の明るい未来の説明があります。
桃園マニアなら大感激してしまいそうな場所ですが、私はあまり興味がないので、サラッと見て終わりにしました。
景福宮
清の時代の1745年に建立したお寺です。日本は江戸時代で、徳川家重が第9代将軍になった年です。とても歴史がありますね。
桃園の街はこのお寺を囲むように発展したので、地元の人は「大廟」と呼んでいます。
台湾のお寺は、建物を中央で分けて左右違う宮大工が造ることが多いのですが、このお寺は本殿と手前の建物の前後で別の大工が担当した、珍しい建て方をしています。
とはいっても、私には違いがまったくわかりません!
みなさん自身の目で違いを見つけてください。
お寺の一角に.資料室があります。
石原裕次郎が、ここで映画のロケをしたとの資料を見つけました。
1962年、台湾の中央電影公司と日本の日活の合作映画『海灣風雲』(日本版の題名は『金門にかける橋』)の撮影で使われましたが、映画では台北龍山寺の設定になっているそうです。
看板鑑賞も楽しい
景福宮のすぐ近くには、楽しい看板がたくさんあります。
なぜかカメラ目線の看板、
ちょっと怖いネイルサロン、
「東京都」という名のマンションの広告
などなど、ユニークな看板を鑑賞しながら街歩きを楽しんでください。
台北にはない、有名カフェチェーン店
歩き疲れたので、一休みしましょう。
「多那之」という名のベーカリー兼カフェが駅前にあります。
「多那之」は漢字を見ただけでは、何のことかわかりませんね。
でも、中国語で発音すると「ドーナーツー」となります。
今回は、店名になっているドーナツを選んでみました。
わざわざ桃園まで来て、ドーナツ食べるの?
と不思議に思われるかもしれません。
このお店は、台湾南部の高雄や台南にはたくさんありますが、台北には1店もありません。
桃園の名物ではありませんが、台北の近くで台湾南部に行った気分になれる貴重な場所なのです。
ドーナツを食べながら、トロピカルなひとときを満喫してください。
ドーナツでトロピカルを連想するのは絶対無理!
という人は、頭の中で「ドー夏」に変換してみてください。
一瞬にしてトロピカルな気分になりますよ(笑)
台湾で一番つまらないと言われている街ですが、掘り出し物を見つけるようにキョロキョロしながら歩けば、楽しいものにたくさん出会えます。
駅前からバスに乗れば、
バロック様式のレトロな街並みの大渓、
湖畔にお寺がある風光明媚な龍潭
など、有名な観光スポットに行くこともできます。
空の玄関口ですが、残念ながら飛行機は見えません。
期待しないでください。
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参考にした資料
桃園軌道願景館 公式ホームページ(中国語)
メートル法の導入 上越市ホームページ
桃園大廟景福宮(中国語)
金門にかける橋 日活公式ホームページ
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