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【感想】「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方
所感
著名人が語っている書籍等に納得感はある。でも実際にはなかなかできないと悩んでいる方は手に取ることをおすすめする。
同書は「より現実的に」、「普通の人に向けて」書かれていると思う。そして、自己理解をする上では非常に重要な書籍となると思う。自己理解はキャリアを作っていく上で最も重要であるが、最も難しいことの一つではないでしょうか。その手助けとなるはず。
他書はキャリア・ドリフト理論をベースにある程度システマチックに選択肢を作っていくような書籍が多かった印象を持っている。読むと「なるほど」と思うことはあったが、実際に動こうとすると「何か」しっくりこないことがあった。ずっとわからなかった。
同書ではその「何か」を教えてくれた。
「資質」、「持ち味」だった。
強みや経験は顕在化している「タグ」でしかない。転職時には採用側はタグを重視しているだろう。
資質とは自身を形成する本質的な要素だ。強みや実績(経験)を形成するためのエンジンのようなものだ。
そのエンジンはどこなら評価されるのかが重要だ。
なぜ、あの職場では評価されなかったのか、
なぜ、あの職場では評価されたのか。
がわかるようになった。
企業・事業・業界のライフサイクルを理解することで、どこに身を置けば成果を出せそうかも見えてきた。
そういった環境をターゲットにした上で、どういったスライドをしていけばいいのかが見えてくると、自分を活かす環境はどこなのかが少しずつ絞られてくる。
スライド先が、「いつ来てもいいように」準備だけはしておこう。
まとめ
仕事の選び方
向いている仕事が一番大事で、次に重要なのが儲かる仕事につくこと
向いている=資質とフィットしている
何を自己理解すればいいのか。
自分自身の資質(持ち味)を理解することが必要。
資質は複数ある。
パーソナルブランディングは「強み」ではなく「持ち味」をベースにするのが正解
WHEN / タイミング
今の居場所で自立して一人前になったら、勇気を出して横の山に進むのです。対象となるマーケットを移し、そのマーケットでよそ者の視点と知見から、新しい価値を提供すればいいのです。
横の山とは、業界や職種などを変えたりすること。
HOW / やらない方がいいこと
専門家として頂点を目指すこと。
頂点に向かうほど椅子の数は減っていきます。競争が激しくなります。
自分よりも優秀な人が出てくると蹴落とされます。
上を目指す熾烈な争いは避けた方が無難。
視野が狭く上しかみなくなるので、環境変化に疎くなります。上がなくなると全てがパーになるので、上があるはずだと信じ続けるようになるのです。
HOW / どういった異動・転職がいいのか
ナンバーワン ではなく、オンリーワンを目指す。
頂点を目指すのではなく、スライドしてオリジナルの価値を「見いだして」いけばいい
逆張り
自分の資質にあった業界や仕事を選ぶと、実は周りはライバルだらけ
キーは、逆張りです。ライバルがいないか少ない「アウェイ」にスライドし、自分の資質や経験の中から、相手に喜んで貰えそうなことを行えばいいのです
①相手に対し、他の人とは違う、自分独自の「ありがとう」を引き出す
②みんなが不得意な「ありがとう」を拾う
注意した方がいいこと
中高年になってから苦労して手に入れたスキルや経験にこだわること。
向いていること=資質があることなので、ラクに速く、楽しみながら、長く続けることができるのです。
資質にあっていないものは捨て、資質にあっているものを上手に拾うべきです。
書籍の中では、中高年になってから苦労して身につけた「マネジメント」を逆に怖くて手放せなくないケースについて記載がありました。こういったものは、向いていないと考えて、勇気を持って捨てることも大切らしい。
選び方
企業、業界、職種にはライフサイクルが存在する。
どのフェーズがフィットするかは人それぞれ。
知人や家族が安定フェーズで成果を出して出世できたからといって、自身も同じとは限らない。
1. 導入
2. 成長
3. 安定
4. 衰退・再展開
別の言い方をすると・・・。
* 大企業で成果を出せる人
* ベンチャーで成果を出せる人
とも言える。
自らの選択を正解にする
未来は明るい?ではなく、未来を明るくするのです。「選んだ選択肢が正解かどうかではなく、選んだ道を正解にする」はフランスを代表するブリジット・バルドーの名言です。そこに、「『自分らしく』選んだ道を正解にする」種をこの本に込めました。