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【エンタメ横断ニュース】ソラジマが「ソラジマTOON」リリース、ぶいすぽっ!長編アニメ制作と会員サービスを開始(24/10/27)

こんにちは!マンガIPのライツを担当している村田です。

今週は下記の4つのニュースを紹介します。


ソラジマ、オリジナルWebtoonに特化した「ソラジマTOON」リリース

ニュースサマリ

株式会社ソラジマは、新たなタテ読み漫画アプリ『ソラジマTOON』をリリース。毎週月曜日に1~2作品ペースで公開。
2025年度に年間100本、2030年度までに年間365本の公開を目標とし、クリエイターの新たなチャレンジに年間5億円以上を投じる予定。

分析、所感

ソラジマが「ソラジマTOON」をリリース。読切作品に力を入れるとのこと。

プレスリリースに読切作品に投資する背景も記載されていて、読切作品は売上が立たないから。だからこそ、新しい才能の発掘と育成に全力で取り組むという素晴らしい取り組みですね。

■読切作品に投資する背景
現在タテ読み漫画(Webtoon)において、この規模で読切作品に取り組んでいる制作会社はほとんど存在しません。
その主な理由は、読切作品が1話完結かつ完全無料で公開するもののため売上が立ちづらく、クリエイターのチャレンジや成長に対して長い目で投資できる企業がまだ少ないからです。
しかし、この状況が続けば、タテ読み漫画業界における新しい才能の発掘・育成に限界が訪れます。
だからこそ今、100作品以上のタテ読み漫画を制作した経験と実績を誇るソラジマが、読切作品に予算を投入し、新しい才能の発掘と育成に全力で取り組むべきだと判断しました。

Webtoonでヒットしている・連載にセオリーなジャンルはある程度固まっていると思うのですが、読切で定石ジャンル以外で挑戦できるのは良いですよね。

東宝、Nintendo Switch用ソフトのゴジラゲーム『ゴジラ ボクセルウォーズ』をリリース

ニュースサマリ

東宝株式会社が展開するゲーム事業レーベル「TOHO Games(トウホウ ゲームス)」はNintendo Switch用ソフトのゴジラゲーム『ゴジラ ボクセルウォーズ(Godzilla Voxel Wars)』を2025年2月20日にリリースする。

分析、所感

サイバーエージェントグループ傘下のサムザップと共同事業で「呪術廻戦 ファントムパレード」とゲーム事業を手掛ける東宝ですが、ゲーム事業レーベル「TOHO Games」を擁しています

これまで映画、演劇、不動産が主力事業だった東宝ですが、アニメと海外が第4の柱になりつつあり、注目されています。恐らく、ゲーム事業も伸ばし、第5の柱にしようとしているはずです。うまくいけば数年後、東宝のゲーム事業が注目を浴びているでしょう。

下図が現在の東宝のゲームのラインナップですが、呪術のゲームは共同事業ですから、完全に自社でやっているものはまだ4ゲーム。ただ、ここから数も質もあがると思うので注目したいです。

ぶいすぽっ!、長編アニメ制作。アニメ制作応援サービスを開始

ニュースサマリ

ぶいすぽっ!を題材とした長編アニメーションの制作および『STUDIO MEMBERS』を始動し、期間限定で加入メンバーを募集する。
『STUDIO MEMBERS』に加入すると、特典としてアニメ先行視聴会やクレジットへの名前掲載、アフレコ台本やアニメ設定資料・原画集、STUDIO MEMBERS CARDの進呈、長編アニメに関する先行情報を得られる。

分析、所感

個人的に今週一番面白いと思ったニュースでした。本格的な長編アニメーション制作とのことで、全12話を予定。

制作陣には「無職転生」シリーズなどの平野宏樹さんが監督、『葬送のフリーレン』などに携わった森公太さんが副監督、『Engage Kiss』などの永野裕大さんがキャラクターデザインとして参加。アニメーション制作は、『姫様”拷問”の時間です』『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』などのパインジャムが担当します。

座組も楽しみですが、まず作品の展開の仕方が面白い。制作されるアニメは、ぶいすぽっ!メンバーが声を当てた作品とプロの声優が声を当てる作品の2つが存在前者は「STUDIO MEMBERS」の会員のみが視聴できます。声優が声を当てた作品は、プラットフォームは未定ながらインターネット上での公開を目指すとのことです。

エンディングが複数パターンある場合はありますが、声優が違うパターンというのは中々聞きません。ポプテピピックがあったりしますが・・・笑
ぶいすぽっ!メンバーが声を当てた作品は課金ユーザーでないと観られないというビジネス設計に、VTuberのタレント性に価値があるだろうという運営の自信と意図が見えます。

また、先ほどから出ている「STUDIO MEMBERS」というアニメのための会員サービス。加入費は33,000円(税込)/年となかなか強気な値段な気がしますが、下記の特典があり価値を感じる人は多いでしょう。どれほど会員数が伸びるか気になりますが、加入費と特典の付け方がクラウドファンディングに似ているきがします。

BraveGroupは資本のある会社ですからクラファンしなくともアニメ制作費は出せるかと思いますが、アニメ専用の会員サービスでリスクを下げるのはいいですよね。アニメ業界はアニメを放送してその人気に左右されるビジネスでしたが、事前にファンクラブ的なサービスを用いてリスク減らしつつ、ファンダムを作る動きがもしかすると出てくるかもしれません。

ショートドラマレーベルHA-LU、シードラウンドで資金調達

ニュースサマリ

株式会社HA-LUは、株式会社サイバーエージェント・キャピタル、ブーストキャピタル株式会社、スタートアップファクトリーから、シードラウンドでの資金調達を実施。スタートアップファクトリーは、前回のエンジェルラウンドで出資した鈴木おさむ氏が代表を務めるファンド。調達した資金は、2024年12月配信予定の課金式長編オリジナルドラマの制作、AIなどの先端テクノロジーへの積極投資を行う。

分析、所感

今年動きが多いショートドラマ業界での新たなニュース。HA-LUは、青春恋愛ショートドラマを制作し、立ち上げ2ヶ月で総3290万回再生を達成した会社です。

ここで注目したいのが投資家陣。まずは、サイバーエージェントのCVCのサイバーエージェント・キャピタル。ABEMAなど配信プラットフォームがあり、ショートドラマと親和性が高そうなサイバーが張った先が、BUMPやごっこ俱楽部ではなく、HA-LUということ。サイバー本体とシナジーある動きをするのか注目です。

また、脚本家の鈴木おさむさんのお名前がスタートアップ界隈で聞くことが増えました。スタートアップファクトリーは鈴木おさむさんが代表のtoC向けファンド。ゴーイングメリーというシェアオフィスも運営しており、冒頭紹介したSORAJIMAもそこにいた時期があります。今後も鈴木おさむさんが出資するスタートアップは追いたいと思います。

今週のニュースは以上です。分析、所感は間違っている理解や知識があるかもしれませんので、もし気づいたらご指摘ください・・・。それでは、また来週お会いしましょう!


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村田泰祐
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