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義務教育終了後の足跡⑧: 病み期から結婚話

大学に入学してから修士まで、あまり深く考えずに目の前の課題をただただこなしていたら、そのしわ寄せが修士論文執筆の時期にやってきて、精神状態が徐々におかしくなってきたところまでは前回のnoteで書きました。

眠っていないので目のクマがすごく、ご飯も食べず風呂にも入っていないので髪の毛がテカテカの私を見て、当時彼女だった妻はヤバいと思ったのでしょう。仕事が終わったら私のアパートに来て晩御飯を作って待ってくれていました。晩御飯を作って待っているという連絡をすれば私はアパートに帰らなければなりませんし、帰ったらご飯があるので食べるし、風呂にも入ります。当時の私はとにかく少しの時間もおしく、内心帰りたくありませんでしたが、晩御飯を作ってくれている彼女を無視することは出来ず仕方なく帰ります。

お風呂に入っているときは、「この時間があれば論文がかけるのでは?」という考えが頭をよぎり、焦燥感から動悸が激しくなったりしました。私が眠っていないことを知っていた彼女は、私のアパートに泊ってくれました。そうすることで無理やりにでも私を床に就かせようとしたのでしょう。布団に入っても、「横になっている時間がもったいないのでは?」という考えから焦燥感と動悸がひどくなったり、全く眠れず、入眠できたとしても悪夢を見るといった状態でした。

妻にこの時のことをたまに聞くのですが、「病気になる一歩手前だと思った。このまま一人にしとくと死ぬのではとも思った」と言っています。妻は職業柄そういう人を見ているので何となくそう思ったのでしょう。私も今、冷静に振り返ると同じ感想を抱きますが、当時は冷静になっている場合ではありませんでした。

こんな生活送りながらも何とか修士論文の執筆と英語論文の投稿を追えます。これで解放される!!と一瞬思ったのですが、

「博士に進学したらこんな生活がこれからも続くのか」
「こんな生活をしないと論文1つ書けないような私はやっていけるのか」
「そもそも博士に進学する理由ってなんだっけ?」
「修士研究の結果だってたまたま出ただけで、能力は何も成長してないしこんなんで博士に進学したって意味ないのでは」

という気持ちがぐちゃぐちゃと心の中を支配して、とても解放という気分ではありませんでした。何なら、修士論文の執筆が終わった直後くらいから、大学に行こうとしたり、学術論文を読もうとしたりすると動悸が激しくなって行動できないといった症状が出ていました。夜も熟睡できず、横になるものの眠れないまま気づいたら朝という日も多々ありました。

一応卒業式という大きなイベントがありましたが、私はそれどころではなく、参加はしましたが(したはず)今振り返っても全く記憶がありません。よっぽど頭や心がぐちゃぐちゃだったのでしょう。

修士論文の執筆が終わってからも、当時彼女だった妻はほぼ毎日のように私のアパートに来てくれていました。監視の意味もあったのかもしれません。ご飯を食べているか、風呂に入っているか、眠れているか。

当時妻は実家暮らしで、お母さんと二人暮らしでした。お父さんは単身赴任で県内にいましたが別の市で暮らしていました。あまりにも家に帰ってこない娘が彼氏のアパートに入り浸っている。ご両親が心配しないわけがありません。私も妻も20代後半に差し掛かろうとしていましたし、ご両親も色々と思うところがあったのだと思われます。

「二人の付き合いは先を見据えたものなのか?」

みたいなことを妻はお父さんの方から聞かれたそうです。そりゃそうです。毎日のようにアパートに泊って、言わば半同棲みたいな状態になっておきながら「結婚は考えていません」ではさすがに親として心配だろうと。

このことを妻から聞いた私は、結婚の意志があることをおそらくここで初めて妻に伝えたと思います。付き合い始めたときから、理由は分かりませんが何となくこの先もずっと一緒にいるような気がしていて、精神的にめちゃめちゃになりつつある私を精一杯支えてくれたことでさらにこの気持ちが固いものになっていました。ただ勝手にそう思っていただけで、なぜか妻にこの思いを伝えていなかったので、さぞ驚いたと思います。大事なことを伝えないところは今も変わっていない(治っていない)気がします。たまに怒られるので。

そこで私は、結婚の意志があることを妻の両親に伝えることにしますが、このことで一気に結婚へ向かう速度が早まります。
博士進学は決定しているものの、博士進学の意味を見失い、大学にも満足に行けない状態の私に、結婚の話。

通常ならパニックになりそうな状態ですが、頭と心がぐちゃぐちゃだった私は、この時をあまり重要な局面だと感じていなかったような気がします。もしかしたら、重要性を感じ取れるほど健康な状態ではなかったのかもしれません。結果としてはよかったのですが。

続きはまた今度。

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