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「円満退職のコツ」でわかる「会社が言わないけど社員にしてほしいこと」

「円満退職できましたか?」調査が出ていました。「退職学™️」のセッションを1000名以上に直接提供する中でも、重なる部分が多い結果でした。これができたら「最高の会社の辞め方」まではいかなくても、「後に引きずるような退職」は避けられるはずです。

【円満退職のコツランキング】男女500人アンケート調査

年末に向けて退職の準備をしているひとも増える頃です。「できればもめずに辞めたいけど、無理かなぁ」と思っているひとにとっては、朗報かもしれません。会社はそこまで怖くないようです。

円満退職ができた人は71.4%

「円満退職ができた人は71.4%」、そのコツの1位は「早めに伝える」、2位は「日頃の人間関係」のようです。どうしてこの2つが円満退職のコツなのかを考えると、「社員に言わないけど会社が私たちに求めていること」や「会社で働くとはどういうことか」が浮かび上がってきます。
人事やマネジメントといった、ひとの力を使って組織や事業を伸ばすキャリアを歩みたいひとにとっては、必須の力とも言えます。

会社は「誰が退職しても回る組織」になりたがっている

円満退職のコツを考えると、会社が言わないけれど社員にわかってほしいことがわかります。それは「人材の替えはいくらでもいる状態が理想だから、早めに退職を伝えてもらえれば備えができる」です。

確かに昨今では「あなたの替えはいます」とは社員に直接は言わないでしょう。1on1を実施したり、フラットな組織を標榜したりする「社員が働きがいを感じられるように会社がサポートする」思想の会社は特に、「あなたがいえてくれないと困る」というメッセージを多めに発しているはずです。

でも、会社は「あなたにしかできない仕事をつくってください」よりも「あなたがいなくなっても回るように仕組みを整えてください」と考えています。個別化よりも標準化の力学が強いのが、会社です。

そのため、「早めに伝える」ことで会社に仕組み化の準備をする時間を与えることになります。

会社が「人材の替えはいくらでもいる状態が理想」と考えているから、働く個人は「自分がいなくなっても問題がないようにする」「自分の仕事をなくす」を目指すことになります。

これによって「どうせ私の仕事はなくなるんだよな」という無意味感に悩まされるひとは増えていますが、その話はいずれまた。会社に限らず、標準かを目指す性格がある組織の中で働くということは、そもそも仕事に意味を感じにくい環境にいるということなんですよね。

あなたは必ず会社を辞める

円満退職のコツを考えるとわかることは、一つ目は会社目線でした。もう一つは働く個人目線の事実がわかります。それは「あなたは必ず会社を辞める」です。言い換えれば「入社した瞬間から退職に向かって歩き出している」です。

とはいえ、こんなことは言われるまでもないかもしれないですね。いまの20〜40代くらいで「このまま一生いまの会社にいられる」と思いながら、しかも仕事の意味を感じながら働いているひとはほぼいないでしょう。

東京商工リサーチが出した調査だと「2020年の倒産企業の平均寿命は23.3年」でした。「企業の平均寿命」には諸説ありますが、「20代から働きはじめて40年以上も安定かつ意味のある仕事を提供してくれる会社」は一部に限られるでしょう。存在していたら、国をあげて守って欲しい。

会社の寿命がひとの働く寿命よりも短いことから、働く個人は一生に一回以上は退職(転職)するでしょう。20代で2回、3回するひともいます。私のもとに来てくださる相談者さんの中では、30代前半で「このまま40歳になると転職する勇気がなくなりそうだから会社を辞めたいです」と話す方もいました。

という「誰もが退職する」中では、「入社したときから最終出社日をどういいものにするかを計画する」が現実的な働き方になるでしょう。学生生活と同じです。入学したときから卒業のときがわかっています。社会人生活も同じです。入社したときから退職のときが来ることは決まっています。

もちろん違いもあります。学校生活は3年から6年の期限が勝手に区切られていました。学校が好きで延長していくひともいますが(笑)。
会社員生活では区切りがありません。それは区切る余白、裁量、自由があるともいえます。

仮でもいいので「5年で退職する」と自分で区切りをつけると、「最後の1年は具体的な退職活動期間に入るから、半年前から早めに退職を伝えよう」だったり「日頃の人間関係は長期的につくるから、入社から退職までずっと温めよう」という気が湧いてきます。


「誰がも転職する」は認識されはじめました。その裏には「誰もが退職する」事実もあります。転職と退職はコインの面と裏であり、地続きです。いい退職は次の職場で活躍するための準備運動にもなるし、未来の転職先をひとつ増やすことにもなります。

「後腐れなく迷惑にならないように辞める円満退職」を超える「最高の会社の辞め方」がある。そんな議論まで進みますように。

調査を実施されたBiz Hits編集長の伊藤陽介さん、素敵な調査を誠にありがとうございました。

       

                       「退職学™️」・佐野創太

〜CM入りますよ〜
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