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言葉をオブラートに包もう選手権

僕には弟がいる。
僕以上のひねくれ者であり、優れた発想力の持ち主。

彼はこれまでも、僕の想像を遥かに上回る名言を残している。

つい最近、また新しい名言を残したらしいのだが、これが個人的に傑作だったので紹介したい。

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彼が友人たちと「言葉をオブラートに包むとどうなるか」という会話をしていた時のこと。


お題は「君の料理、不味いよ。」だったそう。

普通の人であれば、
「初めて食べた味だからわからないけど、なんだか独特だね。」
「少し味が濃い/薄いかな。」
「もう少しこうしたらいいかもしれない。」
などのように、言い換えるだろうと思う。

しかし、僕の弟は違った。

彼の答えは

その料理、オブラートに包んだ方がいいよ。
だった。

面白くない?これ。
僕これめちゃくちゃツボなんですよ。

弟は

「オブラートに包む」という条件を満たしたから問題ない。
美味しくないなら、ちゃんと伝えた方がむしろ親切だ。
俺は何も間違ってない。

と供述していた。

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「オブラートに包む」とは、マズい粉薬をオブラートで包んで飲みやすくするように、相手を刺激する直接的なマズい表現を避け、やわらかい言い方に換えることである。

しかしながら弟は、マズい表現をオブラートに包むのではなく、不味い料理をオブラートに包んでしまったようだ。

彼の話を聞いていると、僕もまだまだ日本語初心者だなぁと思うことが多々ある。

この4月から僕より先に社会人になる彼だが、日本語の使い方も僕より1歩先を行っているようで、少し悔しい思いをした今日この頃。

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