記憶力がない人の勉強法/鍼灸学生
私は無謀にも57歳で鍼灸の専門学校に入学しました。当然、私が最年長、孫に近い18歳の若い人たちと机を並べて勉強を始めました。
医療系の専門学校は大変だと聞いていましたが、鍼灸の専門学校は西洋医学と東洋医学の両方を勉強し、その情報量は膨大でした。
最初、勉強のスピードについていけず、予習をしないと授業がわからないことが多かったです。そこで、予習に力を入れ、授業で完全に理解することに心がけました。
教員が「ここは大切です」と言ったところは必ずマーカーを引きました。
やがて、勉強のリズムがついて来た時に復習を始めたのです。
復習は自分で問題を作りました。ポイントとなる言葉や重要事項の穴埋め問題です。作った問題をすぐ解くとともにコピーを何枚か取っておいて1週間後、2週間後にまた解くのです。
ノートはできるだけ簡潔にムダを省きました。これは頭の中を整理し記憶すべき量を制限するためです。
苦労したのは暗記です。なんといっても57歳、記憶力はかなり低下しています。1日たつと、すっかり忘れています。短期記憶を長期記憶にするには反復練習しかありません。ノートを持ち歩き、まとめたところの見直しや作った問題を繰り返し解くのです。
理解したことを覚えるのに反復回数はさほど必要ありませんでしたが、361個以上の経穴については、何回も反復しても覚えられないのです。日本語にはない漢字があったり、馴染みのない言葉の経穴名を覚えなければならなかったからです。また、経穴の位置のほか、関連する筋肉や神経など経穴にひもづく事柄まで覚えなくてはいけないので、頭の中はグチャグチャです。
馴染みのない言葉を覚えるにはどうしたら良いのか?書いて覚えるをやってみましたが、全然覚えられません。口ずさむのはどうか?ただ言葉を並べて口ずさんでも覚えられません。自分では万策尽きたので、ネットで調べているうちに、youtubeで経絡の歌を見つけたのです。今風の歌はわからないので、童謡で覚えることにしました。人に聞かれると変人に思われるので、早朝犬の散歩をしながら歌を歌いました。誰ともすれ違わず、声を大にして歌いました。
すると、冬休み中に全部覚えられたのです。記憶の定着には、マルチタスクが有効だそうです。散歩という簡単な作業中に、覚えるという作業を行うことで脳が活性するらしいのです。
経穴を2年生の冬休み中に覚えたことで、あとの勉強がすごく楽になりました。3学期は苦手だった臨床医学各論に集中できたからです。また1年生で公衆衛生学や生理学、解剖学の基礎をしっかり学習したおかげで3年生になる手前の春休みから、国試の模試問題に取り組むことができました。
国試対策は、とにかく過去問をやりました。過去20年分の過去問をやりました。間違えたところは徹底的に調べました。数をこなすうち、出題パターンがわかってきます。
勉強時間は専門学校が午前中だったので、午後図書館で夕方まで復習予習を行い、早朝3時過ぎに起きて反復勉強をしました。朝起きて勉強する方が時間は限られているので集中できたのです。
このように、私なりの勉強法を書きました。鍼灸学生さんの参考になれば幸いです。
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