【すいません、大盛で〜意外と男性はよく食べる女の子の方が好き編〜】
「すいません、大盛で、、、」
先日、妻とお蕎麦屋さんに行くと隣に座った20代前半の女性2人組が申し訳なさそうに大盛りのお蕎麦を注文していました。
ここで感じたのは「すいません」と言っていましたが、
お客様としてお蕎麦を注文しているので、謝る必要はないのではないかと、、、
では、何に対して「すいません」なのでしょうか?
メニューの中には「大盛+50円」と記載がありましたので、大盛りはお店の公式メニューです。
ですので、お店側に謝罪の必要はありません。
この疑問を同性である妻に質問してみると、
「あまり他のテーブルの事を気にしない方が良い」という大人な回答がありました。
妻が常識人で良かったです。
【大盛りのそばを食べている私という客観視】
何に対して「すいません」なのか問題に関して妻の助言を無視して、
考察をするに「世間体」なのではないかと思います。
女性は元来、少食で、沢山食べることを慎むことが美徳という価値観が少なからず存在します。
意中の男性との初デートでガンガン大飯を喰らう様な姿は見せたくない、
なんなら「もうお腹いっぱい、食べられない〜」という
かわいさアピールを多少でもしたいものなのではないでしょうか。
ここには女性は少食の方が可愛く見えるという価値観、固定概念が存在するはずです。
「大盛り」→「ガツガツしていて可愛く見えない」→「女性らしくない」→「すいません」というチャートが出来上がるのではないでしょうか。
きっと女性の心の中では、、、
『世間様に大盛りを食べる女性だと思われる』
『しかし、美味しそうなので大盛りにしたい』
『でも、あんまり食べすぎると体にもよくないし、体重も増える』
『しかし、美味しそうなので大盛りで食べたい』
『でも、蕎麦とかカロリーが低そうだし、セーフでしょ』
『え〜い、大盛りにしてしまえ』
「すいません、大盛りで、、、」
多少の罪悪感は自分自身にありつつも、乙女の葛藤の中で大盛にしていたのかもしれませんね。
ちなみに私は女性が一緒に来たお店で大盛りを食べてくれていたら、なんか楽しんでくれている気がして嬉しいです。
他の男友達に聞いても、遠慮して食べない子より沢山食べてくれる女性の方が好印象という人が多かったです。
【男性の大盛り】
一方で男性の「大盛り」となると話が変わってきます。
男性の中では大盛りにすることが男として魅了があると捉えられることがあります。
私はそんなにご飯を沢山食べられる方ではないので、よほどのことがない限りは並盛り人間です。
そんな並盛りばかり頼んでいる私の前で「大盛り」を頼んでいる男友達を見るとなんかオスとして負けた気分になったり、
また、複数人で食事に行った際は「大盛り」食べる友人へ「やるな〜」と称賛を送ったこともあるくらい、「大盛り、大食い」というのは魅力があるのです。
食べるということはエネルギーを蓄えるということなので健康の象徴でもありますよね。
もちろん適正に量を選ばなければ、健康を害してしましますが、、、
職業でも「フードファイター」というものがありますよね。
沢山食べることを仕事にしている稀有な職業です。
沢山食べることでお金を稼ぐということはそこに魅力があるということなのです。
【ダイエットを勧めるお釈迦さま】
さて、私は「フードファイター」ではなく、
お坊さんなので、
お釈迦様が「大盛り、沢山食べる」事に言及しているので、ご紹介しましょう。
実はお経の中には「ダイエット」について説いているお話があるのです。
ある時、小太り王様がいました。
王様からするとお釈迦さまは「教え」を説いてくる先生なので、お釈迦さまの話があると家来を連れて講義を聞きにいくのです。
しかし、この王様は小太りなので、歩いてお釈迦さまの話を聞きにいく段階で息が切れてしました。
息が切れて「ぜぇぜぇ」言いながら、会場に着くと、お釈迦様が王様を指さして、
「“あなたは心を落ち着けなさい、心を落ち着ける人はよく制限をする、制限をしていけば、体の痛みはなくなる”」
と言い放ったのです。
さぞかし王様は恥ずかしかったことでしょう。
心が湧き立ち食欲が増幅している状態で食卓に着くと、必要以上に食べてしまうことがあります。
本来は食べなくても良いものでも、ついつい口に運んでしまいますよね。
さらに王様であれば、自分の欲しい食べ物がテーブルの上に沢山並んでいるはずです。
ですので、まずは心を落ち着けること、これを仏教では禅定と言います。
心を平静に保つ修行の1つ、禅宗の禅ですね。
そして、心が落ち着いていれば、自分に必要な食事の量を選び、制限をすることが出来る。
制限ができれば、体も大きくならず、内臓脂肪も減り、関節の痛みもなくなる。
結果的にダイエットになる。
ということなのです。
【大盛りにしてもいいよ】
さて、大盛りの話ですが、お釈迦さまのお言葉を借りるのであれば、
「大盛りにしても良いけど、心を落ち着けて、その大盛りが果たして必要か、考えなさい」
ということかもしれませんね。
私も以前ラーメンなどを大盛りで食べ切ったことがありますが、
食べる前はお腹が空いているので、なんだって食べるという精神なのです。
しかし、いざ食べ切ってみると
「別に大盛りでなくても良かった」
「お腹がきついから並盛りにしておけば良かった」
などと後悔をしたことが何度かあります。
お釈迦様が言うように食欲が湧き立った状態では冷静な判断が出来ないのです。
ちなみにこの記事を書いていて思ったのですが、
こんな他人のテーブルの注文を聞いて、
「ああでもない、こうでもない、お経にはこう説いてある」
なんてやまかしいこと思わずに、
「食べたいんだから、大盛りを食べさせたれよ」
という気持ちになりました。
だから妻は
「あまり他のテーブルの事を気にしない方が良い」
って言っていたんですね。
妻は悟っていましたね。
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【自己紹介】
野村泰弘 (のむら たいこう)
1991/10/28生まれ 福井県福井市出身 日蓮宗僧侶
福井市の中心に位置する足羽山内のお寺「弘法院大師堂」執事長を務める。
難解で近寄り難いイメージの強いお経を今の人にも分かりやすく伝える事を信念に
お坊さんをしています・・・
お経の中身って意外と面白いんですよ。
お寺・お経・仏様・お坊さん、なんだか堅いモノに感じますよね。
意外とそんなに敷居の高いものではありませんよ・・・
【足羽山 弘法院 大師堂 】
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福井県福井市門前町 宝石山17−1−1
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