言い訳してもいいわけ?
人は何か失敗をした時、だいたい利害関係者に言い訳をします。そして「そんな言い訳は聞きたくない!」とか一蹴されて、しょんぼりして、なんか相手からの印象が悪くなる。といった事が起こります。
そんな経験ってありませんか?
日本語は同じ意味の事を伝えるにしても、言葉のチョイスによって相手に与える印象が全く変わってきます。場合によっては相手が激怒してしまうか、相手が快く許してくれるかの違いくらいの大きな差があるのです。でも、その言葉のチョイスは紙一重なところにあり、状況の判断と適切な言葉のチョイスを一瞬の判断で行うのは、なかなか難しいのではないでしょうか。
今回は相手から「言い訳してもいいわけ?」と怒られない様な言葉のチョイスや言い回しについてお送りいたします。
【例】台所にあった砂糖を床にぶちまけてしまった
子供の頃によくありそうなシチュエーションです(私の実体験ですが)台所の上に置いてあった封の開いた砂糖の袋を何らかの拍子に引っ掛けてしまい、床に落ちて砂糖の粉が床一面に散らばってしまった時を想定して下さい。
物音を聞きつけ、お母さんが台所にやってきました。床一面を純白の積雪みたく覆いつくす砂糖を目の当たりにして「あんた何やってんのっ!!!」といきなり怒られるでしょう。
その時、お母さんの大声に怯んで「僕じゃないよ。僕やってないもん」と、自分がやったのに罪から逃れようとした場合、間違いなく追加で怒られます。しかも相手に対して印象も良くありません。
そこで「ごめんなさい」と即座に謝ってしまうのはどうでしょう?小さい子供であれば、すぐに謝る事ができる良い子だ。ちゃんと反省している。なんて思ってもらえるかもしれませんが、成人であれば「謝って済む問題じゃない!」とこれまた追加で怒られそうです。もし怒られなくても印象としてあまり良いものではありません。
言い訳がましくなく相手に悪い印象を与えにくいのは、ズバリ自分の考えがあっての行動だけど、残念ながら失敗してしまった。という言い回しです。
それはつまり、「台所に封の開いた砂糖が置いてあったので、封をしようと思って手を伸ばしたら床に落ちてしまった」と言うのが良いかと思います。
元々、封が開いていた砂糖が放置してあったのは事実です。それに対して封をしようと思ったかどうかはひとまず置いといて、少なくとも封をしようと思った(現状を改善しようと思った)という前提を入れる事で、お母さんは「私が封を開けた砂糖を置きっぱなしにしていたのが悪いんだ」と感じるでしょう。そして、砂糖の封をしようと努力してくれた子供に対しては、非常に印象が良くなります。
たった一言の前提(自分の考え等)を話すだけで、怒られるか褒められるか全く逆の結果となってくる訳です。日本語って難しいですよね・・・