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小説『エッグタルト』

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高校で吹奏楽部に所属している太田と、数学オリンピックに出場することが決まった女子高生、川野さんの話です。
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2021年1月の記事一覧

小説『エッグタルト』第二十五章

 新入生の合同練習の日、別のグループのメンバーと一緒に練習をして交流を深める機会があった。その中で俺は別のグループのギターの杉野さんという人と一緒になった。
「杉野さんって、こういうのいつ始めたの? 俺は、高校のときに吹奏楽部で小太鼓とかを叩いていた延長でドラムを始めようと思ったんだ」
「私は、高校のときに軽音楽部に入っていたわ。女子校だったの。高校のときのアルバイト先で知り合った先輩がここのサー

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小説『エッグタルト』第二十四章

 高校を卒業したあとの春休みのような期間が終わり、大学に進学してからすぐに、以前からやってみたいと思っていたドラムを始めようと思い、大学の軽音サークルに入った。サークルに入ってから二日目に、新入生を歓迎するために、先輩たちがバンド演奏を行っていたので、それを見学することにした。
 何組かの演奏を聴き終えたのち、そろそろ終わるのかなと思い、もう帰ろうかなと思っていたころ、三回生ぐらいだろうか、割と目

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