人は自分を自然に受け入れてくれる人と一緒にいたい
人の社会において大切なことは、案外幼稚園くらいの頃に教わるシンプルな教えに含まれているのかもしれません。たとえば、「自分がされたくないことはしない」「されたいことを相手にもしてあげる」といったことです。
この教えは非常にシンプルで、一見簡単そうに思えます。しかし、実際にはこれを実践するのは難しく、大人よりも子どものほうが得意かもしれないと感じることがあります。それでも、このシンプルな原則の中には、人としての在り方や、対人関係の基本が詰まっているように思います。
学生時代のことです。他のクラスメイトからあまりよく思われていない人がいました。隣で会話を聞いていると、趣味は似ていて音楽バンドや好きな曲の話題で盛り上がるはずなのに、どうもうまくいかない。その理由は、彼が相手の好きなものを否定してしまうことにありました。
「◯◯なの?それはないなぁー。△△が最高じゃね?」という具合に、相手の意見を真っ向から否定してしまうのです。
これでは、せっかくの共通点も台無しになり、仲良くなるどころか溝ができてしまいます。でも、もしこの逆をやればどうでしょう。相手の大切にしているものを尊重し、大事にすることができれば、その人から好かれるのではないでしょうか。
たとえば、相手が家族を大切にしているなら、その家族について丁寧に触れる。仕事を大事にしているならリスペクトを示す。趣味に熱中しているなら、それに好奇心を向ける。そうすることで、相手は自分の価値観や存在そのものを受け入れられていると感じるはずです。
もちろん、このような行動を意識して実践するのは簡単ではありません。それでも、誰かと仲良く過ごしたいなら、とても重要なことです。結局のところ、人は自分を自然に受け入れてくれる人と一緒にいたいと思うものだからです。