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みんなに好かれることはできるのか

どれだけ相手のためを思い、身を粉にして尽くしたとしても、それが本当に感謝されるのか、もっと言えば相手のためになっているのかさえ分からないことがある。

万人にとっての「いい人」というのは存在し得ないのだと、改めて思う。

例えば、恵まれない子どもたちのために学校を建てた人がいるとしよう。その行いは多くの人に称賛されるだろう。しかし、自分の時代にはそのような支援がなく、その恩恵を受けられなかった人からすれば、その事実が心の傷を刺激することもあるかもしれない。

また、子どもの将来を思い、夫婦で懸命に働きながら習い事をたくさんさせてあげたとしても、当の子どもは窮屈さや寂しさを感じることもあるだろう。

では、「よかれと思ってしたこと」は無駄なのか? 相手のためを思うことに意味はないのか?

決してそんなことはない。

大切なのは、相手の状況や気持ちを汲み取りながら、その時々に応じた「いい人」になることなのだと思う。

そもそも、人が影響を及ぼせる範囲は限られている。だからこそ、まずは目の前の、手の届く人々を大切にすることが、最初の一歩なのではないだろうか。

絶対的な「いい人」の方程式はない。だからこそ、常に相手の心の機微に寄り添いながら生きていきたいと思う。



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