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約束の力
ある人は、何ヶ月も先の旅行予定を入れることで、日々の生活を支えたり奮い立たせたりしていると言います。
臨床心理士の東畑開人さんは、カウンセリングにおいて「次に会う約束」をすることの重要性を語っています。次の約束があることで、それまでの時間は「一人ではない」と感じられ、絶望や困りごとを他者と共有できる。それだけで、アドバイスや解決策を超える価値が生まれるといいます。
旅行の予約やカウンセリングの約束には、こんな力があるとわかりますが、これは多くの人が持つ「また会う約束」にも通じるのではないでしょうか。
たとえば、友人と次にどこかで集まる約束があるだけで、日常が少し変わることがあります。その約束があることで、「話したいことを見つけよう」と意識するかもしれません。健康に気をつけたり、集まる街のおすすめスポットを調べたりして気持ちが高まることもあるでしょう。
また、集まる日を楽しみに想像を膨らませるかもしれません。新しい服やアクセサリーを買いに行く人もいれば、お土産を準備しようと街を歩き回る人もいるかもしれません。
これらはすべて、一人で過ごしていたら生まれないことばかりです。約束があるだけで、人はすでに他者から影響を受け、日常が彩られていきます。
そして、約束そのものの力強さを感じるのは、実際に会う時だけではありません。その約束があるという事実だけで、すでに私たちは未来に向けて動き出しているのです。
こうした「約束の力」を時折思い出すことは大切ではないでしょうか。