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osu_ellie
解決策より大事なこと
ボクは心療内科で働いている関係で、人の相談にどうのったら良いか聞かれることがあります。
その人によく聞いていくと悩んでいることは、「ただ聞くだけでよかったのか」ということであり、解決策や対策などを渡してあげられないことを悩んでいることが多いのです。
たしかに相談されたのにアイデアや経験を渡してあげられないと、役に立てたか不安になってきます。
もしかしたらじぶんが相談する時もそういうものを期待していることも多いかもしれません。
でも果たしてほんとうにそうでしょうか?
相手から解決策が出ないと、アイデアや経験がないなら、話さなければよかったと思うでしょうか?
聞いてもらいたい話が、より絶望に近いものほど、そんなことはないはずです。
じぶん一人で抱えるには抱えきれないものを人を絶望と呼びます。
実は話しを聞いてもらえただけで、それは自身の中から外部に出てきます。
そうするとその絶望は他者と分け合えたことになります。
「ただ聞くだけ」の力は、この絶望が分かち合えたことにあり、何も返ってこないからこそ成立していると言えます。
なので心配していた解決策やアドバイスは逆に相手から素早いリターンとなっており、絶望が分かち合えていない可能性すらあるわけです。
わからないことで抱えていてもらえたものが、わかることで相手から返ってきてしまう事態が起こり、結果話す前と同じ一人になってしまう。
だからこそ解決策なんて無くて良いときがあり、わからないとか気まずいとかの気持ちを感じて一緒に居ることの方が、はるかにその人のためになる。
そんなこともあるのです。
だからあなたのしたことは、とても力になっていますよとお伝えしています。