こだわりきる
北海道ニセコの宿、坐忘林というお宿に宿泊してきました。
ニセコという土地の花園という手付かずの自然が残された地域に土地から選び、どのような形で、どのような素材で、どこに何を、どう配置するかを、一人のクリエイティブディレクターがこだわり抜いたお宿と聞いて訪れてみた。
館内着やアメニティもじぶんたちで作り、エントランス、パブリックスペースの本やアート、お庭、館内の窓の大きさとそこから見える景色、部屋の間取り(客室をま四角にしないで庭のようなスペースを作る※1)、すべてにおいてこれが最高だ。とそれを選び抜いており、その揺るぎないこだわりがこの場所を唯一無二の空間に押し上げているのだと感じられた。
これは坐忘林の客室の洗面台だ。(奥に見えるスペースが先程書いた部屋の敷地内の庭スペース、お風呂からも見える設計になっている。)
僕が坐忘林にいて居心地がいいのは、一つ一つのデザインや材質やセレクトがじぶんのイメージや趣向と似ているからだ。
つまりじぶんが選んだとしても似たものをチョイスするだろうという空間なのだ。
だがこの洗面台を見たときには驚いた。
僕ではここにこの材質のものを設置しようとこだわり抜くことはなかっただろうとハッキリ思えてしまったからだ。
ここまでこだわり抜いて、初めてこの空間が出来上がっているのだという細部を、部屋の一部に見つけることができた。
こだわりというのは、その人が求める理想のことだ。
それが空間なのか、仕組みなのか、器なのか、家族なのか、人間関係なのか、物語なのか、言葉なのかはそれぞれ人によって違うものの、その理想に忠実に向き合う者の姿勢を、熱意を感じることができて、それだけでもこの旅行が良い旅になった。
こだわり抜いた空間では自ずと丁寧に、空間の美しさに調和しようと丁寧になる。
そうあろうとするじぶんが知らず知らずのうちに好きなじぶんになっている。
だからそんなじぶんにまた会いたいと思って、また行きたい、訪れたいと思ってしまうのかもしれないですね。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。
それはホテルとか旅館だけではなく、飲食店や人の集まりなんかにもどこか通じているように思う。