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トヴェルスキー&カーネマン 小数の法則のクイズの実験課題

実験参加者を2つのグループに分ける。それぞれのグループに以下の課題を実施する。

グループ1:
以下の説明を読んだ後、問題に回答してください。
説明「とても酸性が強い濃硫酸の溶液があります。この濃硫酸の溶液にとてもアルカリ性の強い水酸化ナトリウムの溶液を少しずつ混ぜていくと、だんだんと中和されて、次第に酸性でもアルカリ性でもない中性になります」

問題「この都市のある学年の児童の集団の平均IQは100であることが知られています。あなたは50人の児童たちを無作為に(ランダムに)抽出して学業達成度を調べました。テストされた児童たちのうち一人めのIQは150でした。この50人の平均IQはいくつであると期待されるでしょうか?」

グループ2:
以下の説明を読んだ後、問題に回答してください。
説明「とても酸性が強い濃硫酸の溶液があります。この濃硫酸の溶液に中性の水を少しずつ混ぜていくと、だんだんと希釈されて(濃硫酸が水で薄まって)、酸性のまま次第に中性に近づきますが、無限に水を加えない限り、決して完全には中性にはなりません。」

問題「この都市のある学年の児童の集団の平均IQは100であることが知られています。あなたは50人の児童たちを無作為に(ランダムに)抽出して学業達成度を調べました。テストされた児童たちのうち一人めのIQは150でした。この50人の平均IQはいくつであると期待されるでしょうか?」

実験の事前仮説
トヴェルスキー&カーネマン(1971)によれば、ランダムプロセスは中和的にではなく、希釈的に作用するのに、人々はむしろランダムプロセスを中和的にとらえてしまうという。そのため、中和的にこの問題を捉えてしまい、問題の回答を100とする(IQ150の児童がいたから100よりIQが低い児童がほかに混じっていて平均IQが100になってくれるという誤信念をもってしまう)という。この仮説からすると、グループ1では100という回答が多く、グループ2では正しい101に近い回答が増えると予測される。


出典:

Tversky & Kahneman 1971 より


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