「嫌ならやめる」はどこまで自浄作用を生むか。ブラック企業とブラック国家
ブラック企業はさっさと辞めるのがいいと思います。ブラック企業で頑張ってしまうと、ブラック企業が生き残ってしまい、世の中が良くなっていかないからです。
ブラック企業をさっさと辞めることはそういう意味で社会貢献だとも思います。
ブラックな職場からは皆がさっさと辞める、という習慣ができればブラック企業はどんどん潰れるので、結果的に世の中にブラック企業はなくなります。
これを「市場原理による自浄作用」と呼んだりすると思います。
労働者は、労働力と給与を交換しているだけです(経済学的には。。。本当は、自己実現とか、社会とのつながり、とかもっと有意義な要素がたくさんあると思いますが、一旦それはおいておいて、、、)。なので、その交換が割に合わないなあと思ったら、さっさとその交換はやめればいいのです。
例えばマズくて高いレストランがあったら、2度と入りませんよね。頑張ってそのレストランに行きつづけよう、なんてことは思わないはずです。お金とサービス(この場合、食事)の交換が割に合わないと思うからです。そうやって、マズくて高いレストランは潰れ、いいレストランが残っていきます。
職場だって同じです。交換(給与と労働力の提供の交換)が割に合わないと思ったら、その交換を辞めれば、いい会社が残っていきます。
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さて。
これは、どんなときにも当てはまりそうでしょうか?
例えば、国が嫌だったら、国を去ればいい、というのはどうでしょう。そうしたら、国は人に残ってもらえるように良い国にしようと思うので、良い国ばかりになる、という理屈は通じそうです。
例えば、優秀な人が働きにくい国からは、優秀な人がどんどん出ていけば、国は、優秀な人を誘致できるような政策を考えざるを得なくなります。
そうやって、国同士が競争して優秀な人材を獲得しようとすることで、国はよくなる。そんな考え方もできそうです。
今、いろんな会社では「出戻り」が歓迎されるような風潮になっていると思います。1回辞めた社員が戻ってくる。これは昔はあまりなかったことでしょう。会社を辞めると「裏切者!」というようなレッテルを張られていたからです。
これが、今後、国レベルで起こるかもしれません。
一度国を去った人(国籍を捨てた人)が、また国に戻ってくる。国単位で人材の獲得競争が始まる。
日本でも、高度なスキルを持った高収入な人がシンガポールに逃げていっている、という話がちょっと前から聞かれるようになりました。シンガポールは税金が低いからです。
こうやって、逃げていった人材が、帰ってくるようになる。彼らが働きやすい環境にすれば。逃げていった人は、最初は「売国奴!」なんて非難されるかもしれませんが、将来は「出戻り歓迎!」なんて言われて歓迎される。
企業で出戻りが歓迎され始めているのと全く同じ構造です。
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さて、こんな風に各人が自分の利益を第一に考え、嫌な場所から逃げることで、世界はよくなっていくんでしょうか?
これは、現在の世界秩序とも関係するとても難しい問題な気がします。ので、どこかで詳しく記事にしようと思います。
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