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Webサイトが、場所に変わるとき。

広大なインターネットの世界

ネットの世界で自分の求めている情報は、URLと呼ばれるインターネット上での住所に保存されている。現在僕たちは、その場所から取り出された情報を二次元のPCのモニターを通して"見て"、主に頭と腕と指で情報処理をする。このURLというのは、webサイトやアプリなどインターネットを通して情報のやりとりをする装置のほとんどに割り振られている。App StoreでダウンロードしたアプリもTwitterも、このnoteの記事もwebブラウザの上の方を見ればわけのわからない文字列が並んでいる。

URLは、Uniform Resource Locatorの略でインターネット上の位置情報、住所なわけだが、このURLが、本来の意味での位置情報や住所にだんだんと近づいてきている。もちろんそれは、メタバースという概念が加速させている。例えば、フォートナイトでバトルロイヤルを行う島に、世界中の離れた場所からプレイヤーが参加するが、その島ごとに一つURLが割り振られている。フォートナイトに登場する島は、もはやwebサイトというよりも、人が集う場所になっている。どこの島に行くかどうか、その行先、住所がURLである。

三次元空間のインターネット

これからやってくると予想されているメタバースの世界でURLは、もはや、情報を取り出すためのインターネット上の住所ではなく、人と人が集まる場所の住所になる。学校終わりに教室で少しだけ話したり、ハチ公で待ち合わしをするように、今日でも小学生はインターネット上の場所に集まって何気ない会話をしているはずだ。(参考記事:https://gakiasobo.com/fortnite03/)

とはいえ、スマホやPCの画面でメタバースを眺め流だけでは、そして何よりもその場所を自分の足で歩けないのはどうも、場所と認識するのが直感的に困難である可能性もある。この困難は、VRのゴーグルなどのガジェットで将来的に回避できるとことを信じている。

ここで述べた歩けるインターネットというのは、大きな進化だ。今僕らが接しているインターネットのほとんどが2次元空間に束縛されている。僕らが暮らしている空間は3次元である。(時間はややこしいので一旦無視する。) この3次元空間が、ある日突然次元の一つが開放されて4次元空間になったら何が起きるか果たして事前に予測ができるだろうか。そう考えると、これから生み出される3次元のインターネットで生まれる現象について、今の僕らが予測すのは難しいと思う。

三次元空間の新しいインターネットでは、多くのものが二次元の平面から開放され三次元に表現されると思う。もちろん聴覚情報だけを記録する蓄音機が発明された後に、視覚情報と聴覚情報を合わせたキネトスコープが発明されるも、音楽は常に映像を伴わなくても良かったように、インターネット上の全てものが三次元化するわけではないと思う。

新しい場所:体験のインターネット

この新しい三次元のインターネットは、その空間の中に入り、自分の足で歩けるという点で大きな違いを生み出すと思う。それは、今までのインターネットサービスの見るという型から、体験するという型に変わるからだ。

お台場にTyffoniumという施設がある。いわゆるロケーションベース型のVR施設だ。(https://www.tyffonium.com/) ここでは、VRゴーグルをつけて友達と一緒に、VR上のお化け屋敷の中に入るというような体験ができる。このお化け屋敷は、古びたお城のような建物の中をさまよい、この世のものとは思えないような生き物や虫に襲い掛かられたり、エレベータに乗って違う階に移動し、出口を目指すという体験ができる。このお化け屋敷は、本当のよりも何倍も怖いが、お化け屋敷そのものである。

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実際体験は、何もない部屋で行われる。それにもかかわらず、この部屋からは想像できないような体験が可能である。

VRゴーグルを多くの人が持つようになると、このような体験は、お台場まで行かなくても、インターネットを通して体験可能になる。それも、お化け屋敷のアプリをinstallするのではなく、ちょうどハチ公前で待ち合わせをするように、インターネット上のどこかの URLで集まり、今日はあのお化け屋敷に行ってみるかというような感じで、自分の足で地続きの三次元のインターネット空間を移動して、"体験できる"ようになると思う。

そうなると、スマホでアプリをinstallする時にApp Storeなどを利用していたように、今後この3次元のインターネットでは、アプリという概念が場所に還元されていくと思う。つまり、日用品を買うことができるアプリのアマゾンは、アマゾンショッピングセンターという場所に変わり、Netflixは、Netflix映画館という場所に変わる。企業のwebサイトも、その企業の世界観や商品がわかるようなバーチャルなワールドに変わっていくと思う。もちろん今まだないアプリ=場所も多く出現すると思う。

生産性をあげれる役に立つソフトウエアよりも、感情や記憶に作り出せる体験の価値が高くなってきている現代で、三次元のインターネットはまさに体を動かして経験ができる(=体験)場所を提供し、新しい価値を生み出す場所になると思う。

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