【小澤竹俊著】あなたの強さは、あなたの弱さから生まれる【読書感想文】
この本は「後悔の少ない生き方」について教えてくれます。
強かった人ほど弱さに苦しむ
著者はホスピス医として人生の最終段階を
迎えた患者さんを数多く関わってきました。
病気になったり、死が目前に迫ってきたとき
強かった人、多くの物を所有していた人、たくさんのことを成し遂げてきた人ほど苦しみが大きかったようです。
かつてバリバリ働いていて人は、身体の自由がきかなくなり
一人でトイレに行くとさえできなかった自分を
「社会の役に立たない」
「行きていてもなにの価値もない」
と責めるようになりました。
お金を持っている人はどれだけお金を出しても治すことができない
病気があること、死を避けることができないことに気づき絶望します。
家族や友人に恵まれていた人は
彼らを残して1人この世をさらなければならないことに
大きな不安や悲しみを感じます。
健康、体力、財力、権力などがあり
自由にいろんなことができ、人から頼られる存在であるとき
誰でも前向きに生きることができます。
しかし、そうしたものを失った時、つまり「弱い」自分になった時
多くの人は苦しみ、絶望し、生きる気力を失ってしまいます。
弱くなったとき本当の強さが現れる
弱さを得てそれでも自分をわかってくれる存在や
自分を支えてくれる存在がいることに気づき
感謝し、人生の本当の意味を見つけることができます。
そうして、絶望の中にいた彼が、心の穏やかさを
手に入れ、前を向いて最後まで生きているようになります。
これは健康な私たちにも言えることです。
自分の弱さを認め受け入れることで、
自分を支えてくれている人やモノに気づき
苦しみながらも前を向いて生きていく力、希望、自分らしい人生
そうしたものを弱さの中で見つける
それこそが、弱さから生まれる本当の力、本当の強良さです。
弱さを認め後悔の少ない人生を
私たちが元気に生きているうちに
自分の弱さを認め、他人に感謝して生きていけたなら
より後悔の少ない人生を送ることができます。
見せかけだけのわかりやすい強さを手に入れても
それはいずれ失われ、失われたことに絶望する。
だからこそ、無理に強さを手に入れるのではなく
そのまま弱さを認めて受け入れてしまえばいいのです。
その弱さごと自分を認めてくれる人
それでも寄り添ってくれる人や助けてくれるモノに気づき、感謝し
自分らしく生きていくことができれば、より後悔の少ない人生を歩めるということです。
変える弱さは変えていく
強いところも弱いところも全てひくるめて自分自身です。
まず、欠点や弱さについて勇気を出してしっかり見つめ
「自分にはこういう欠点や弱さがある」と認めることです。
そうして自分が完全な自分ではなく、自分の苦しみの原因が他人ではなく
自分の弱さにあることを受け入れると心は穏やかになります。
だが、その上で変えられるものは変えていく向上心は必要です。
過去を振り返ると今までに努力して克服してきた弱さが何かあるはずです。
克服できた弱さというのは自分の自信であり、自分らしさの一部になっているはずです。
大切な人の支えになる
家族や友人など、身の回りの大切なひとがなにかの問題で
悩み苦しんでいるときも、人は苦しみを感じます。
そんなときは「なにもできない自分」を認め、許してあげることです。
そのうえで相手が「この人は、自分の気持ちをわかってくれる」と思えるような存在になるといいです。
人はなにかの問題で苦しんでいる時、それと同時に
「自分の気持ちをわかってもらえない」という苦しみを抱えています。
そんなときには相手には「反復」と「沈黙」を使いましょう。
解決できない苦しみに悩まない
解決できない苦しみの代表が「老い」と「死」です。
こういう解決できない苦しみを「解決したい」と思えば思うほど
人は解決できないことに苦しみます。
重要なのは「解決できない苦しみ」について悩むのを辞めて
「解決できる苦しみ」に力を注ぐことです。
まずは今抱えている悩みや苦しみをしっかり見つめ
その中から解決できるものを選んで解決に取り組み
解決できないものについては静かに受け入れることです。
あなたも誰かの支えになれる
なかには「自分には支えてくれる存在などいない」と感じている人もいるかもしれません。
たとえ自分を支えてくれる人がいなくても誰かの支えになることはできます。
そうすることで、自分自身も幸せを感じられるものです。
まったく誰か役に立つことができなくても
人は存在するだけで価値があることを忘れないでほしい。
だから自分の弱さや自分の価値に悩んだりせず
前を向いて今日という1日を大切に生きていけばいいのです。
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