京野菜~根菜~
海老芋
里芋の一種で、品種ではなく栽培方法の違いにより作り出されるものです。
安永年間(1772~81)、現在の「いもぼう」の祖先・平野権太夫が、青蓮院宮が長崎から持ち帰った里芋の種を、土入れをして丁寧に育てているうち、
皮に縞がある大きなえびのような形をした芋が採れるようになり、「えびいも」と名付けられたとか。
肉質が緻密で煮込んでも形が崩れないのが特徴のえびいもは、数ある伝統野菜の中でも最高のうま味を持つものの一つと言えます。
棒だらと一緒に煮た「いもぼう」は、京都の料理店の名前だけでなく、古くから京都の代表的なおばんざいとして、各家庭で親しまれてきた京の逸品です。
こんな料理に使えます・・・煮物、いもぼう、味噌かけ、あんかけ、椀だね
堀川ごぼう
豊臣秀吉が築いた聚楽第の堀跡へ埋めたゴミの中に食べ残しのごぼうが捨てられていたものが年越して大きく育ったことから
年越ごぼうの栽培が始められたと言われており、この独特の栽培法は約400年の歴史を有することになります。
表皮は暗褐色で首部には亀裂を生じかすり状となっています。
中心は空洞になって「す入り」した状態ですが肉質は軟らかく、独自の芳香があります。
こんな料理に使えます・・・月環、つけ焼、きんぴら
慈姑(くわい)
天正19年(1591)に豊臣秀吉が京の都を外敵と災害から守るため周囲に御土居(おどい)を築きましたが、
そのためにいたるところに低地を生じ肥沃な低湿地で藍の栽培を行いその裏作として栽培されたのが始まりであるとされています。
他産地で栽培されているものと品種を異にするものではありませんが、永年京都において育成淘汰し固定した優良品種であると言われています。
こんな料理に使えます・・・せんべい、松笠くわい、うま煮