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職業・才能・エネルギー

成毛氏と作家・企業経営者の北野氏との対談でとても興味深い内容を拝聴したので紹介と、私が考えたことを書きます。

この動画の中で、レジェンド作家のスティーブンキングが登場人物の描写に最も大切な要素として、その人の『職業』が大事だと言っていたという件がある。

職業にはその人の行動特性や考え方、職業病とよく言われるクセみたいなものがあり、そのキャリアが長くなれば、人格にまでも影響があり得る。

刑事は万人のイメージの中の刑事があるし、医師も同様。弁護士も教師も・・・。
それぞれが接してきたリアルな職業人やドラマ・映画・本などで描かれてきたキャラクターからの影響など、思い描く人物像はバイアスがかかっているとも言える。

自分が社会へなんらかの職業に就いて、その職業で労務を提供する際には、こうあるべきのバイアスが深層心理ではかかっていると思うし、行動への影響も出ると思う。この効果はでかく、周囲が同じように抱くバイアスと自分自身が抱くバイアスとの双方向から縛られる。

職業が持つイメージからあらゆるドラマができている。

自分が何者であるか、を本拠地として持つのは自然

人間は居住地を決めて、そこを起点に何か行動を起こすという習性があると思う。たとえ遊牧民でもキャンプ地は決めると思うし、気に入ったところに何度か訪れることはする。

職業とかそこに紐づくキャラクターもそれと同じだ。

『私は○○という会社の○○という部署で、部長をやっておりまして、〇〇の担当をしています。』

というご挨拶は、いいですか、このポジションからの話をこれからしますので、心づもりのほどを。ご存知ですよね、この仕事って例のあの考え方しますよ、という前振りとも言える。

まずは自分はここですよ、からスタートすると周りの人たちの陣形も決まってゲームが始めやすくなるので、立ち位置、立場を示すことは一定の社会のお作法としては必要なんだろうなと思うし、受け手もなんでそんな手を打ってくるのっていう行動の背景にある考え方まで予測しなくても良くなるのでコミュニケーションとして省エネだ。

動画では北野氏が鬼滅の刃を引き合いに出し、ヒットした理由が鬼殺隊という職業や組織が舞台になっていることを説いていて、視聴者が背景や身近な組織への投影がしやすく理解しやすいから、ということを示唆している。

本拠地を飛び越えていくのが才能と能力

ともなると、職業でバイアスがあって、本当はそう思われたくないのに、周りに誤解されてしまう、などある意味やりずらい面もある。

そんな職業というポジションのバイアスを飛び越えていく要素が2つある。

その1つは『才能』。才能というのは感覚的な話になってしまうが、その人が苦にならず、自然とできること、周囲から、それってみんなはできないよ、と言われること。そういった才能は実は人類のほぼ全員が少しは持っている。

持っているのだが、多くの人はあまりお金にならない分野で持ち合わせていて、たまにお金になる分野で才能を持つ人がいるので、ビジネス上でバイアスを超えられるのはそういったお金になる才能を持つ人だ。

多くの場合はもう一つの要素、後天的に身につける『能力』でバイアスを超える。能力は後からある程度訓練すればできるようになることだが、その能力を得る、増やすのには才能と違って歳月がいる。今の時代、能力を磨くためのツールがさまざまな手段があるため、昔よりもショートカットができる可能性は高いが、ある程度の時間は必要。

最強なのは才能のある分野で訓練を積んで能力としての絶対値が圧倒的な形。

才能・能力をブーストできるのはエネルギー

仕事を考える時に、比較的人よりも苦にならなくできるな、という領域を早い段階で見つけ、そしてその分野は比較的社会に役立つかも(=お金になるかも)、というものを自分の中に見出す。

そしてその部分をブーストさせて、能力として築く際に大事になってくるものは『エネルギー』だ。

冒頭の動画では最後に話されていたテーマで、これからの人々にとっての希望とは何かを話し合っているのだが、そこでも若い人のエネルギーについては語られていた。

熱量によって人は心を動かされ、行動を起こせる。

だから才能・能力をブーストできるエネルギーを発揮できるように社会はもっと工夫しないといけないと思う。これは実は若い、若くないに限らずに適切なエネルギー放出ができてないと思われるので、そういった部分の社会・組織インフラのチューニングが必要だよな、と思う。

上司・部下の謎のヒエラルキーや承認システムの誤解、組織の縛りや壁、世代間のトランザクションを良くしていくためにはどうしてするか。

この辺りはライフワーク的なテーマとして取り組んでいきたいと思う。

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