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東京スペキュラティブデザイン #2 -モビリティ編-

前回書いたテーマでしばらく自分の描くスペキュラティブな都市をつらつらと続き物的に思いついたアイディアを残していこうと思う。

毎年夏が暑い感じになっているが、温暖化へ待ったなしの状況になってきており、ガソリン車への風当たりもますます強くなり始めている。

うちの車もバリバリガソリン車のため、もう数年したらEVに変える必要があるのだろうなと思いつつ、あれ、車乗るかな? 実はもっと違う形のモビリティの世界になるかも、と思ってたりする。

そんな中で見つけたのがこのE-Bike。

めちゃくちゃかっこよくて、可能性を感じた。

そうかモビリティはよりパーソナルになっていくから、パーソナルという観点で見ると自然なフォーマットはセグウェイでもキックボードでも、電動車椅子でもなくてチャリかもしれない。

バイクでもちょっと重いし、自転車がベストだな、と思った。

ここ数年研究が進んでいるパーソナルモビリティの世界観でちょっと違和感があったのが、なんかこれは機械に乗せられてる感もあるし、なんとなく健康的ではないなと思っていた。

自転車だと生活シーンへの溶け込み方も自然だし、漕ぐ行為は言わずもがなとても健康的だ。

電動化することで当然スマートフォンと連携して、施錠などの物理的なコントロールや、さまざまな制御はアプリで行い、ライドログもそのアプリで管理することができるようになる。運転中のスピード・距離測定、GPSで地図、ナビゲーションもできる。

しかしここまでだと単に電動自転車を新しく1つ作るということに過ぎないのだが、もっとスペキュラティブ都市にマッチさせたい。

電動モノはバッテリーの問題と切っても切り離せない

そこで思いついたのが、電動バイクに必須のバッテリー問題を、解消するためにバッテリーステーションをバイクと親和性の高いお店とかと提携して増やしていくというアイディアはどうか、と考えた。

まず手始めに提携したい業態はフィットネスクラブがいいと思っている。

フィットネスクラブの中でもプールなどの維持費がかかる施設を省いた、都市型の店舗が増えていて、その中での拡張バイクマシンとして電動バイクを活用する。

こちらではライドログなどを持っているので運動のステータスも記録されていて、それを元にしたそのほかのマシンを合わせたトレーニングメニューも提案できるはずだ。

ユーザーは充電スタンドとしてのフィットネスジムにバイクで向い、そこで充電中にバイクアプリでライドログから分析して提案されたトレーニングメニューをこなして待つ。生活導線上にフィットネスを取り入れたパーソナルモビリティが実現する。こういったスタイルは新しい都市生活者には受け入れてもらえるのではないだろうか。

業態はさまざま。健康志向のスペキュラティブ

ヘルスケア系に近い店舗業態ならば参画の親和性が高いと思われる。

例えばクリニック系、健康志向の飲食店、整体・マッサージ店など。充電している間にヘルスケアの文脈のサービスが受けられる業態はどれもフィットすると思う。

サブスクリプション制にして、各店舗ある一定のサービスを受けられるようにするのも面白いかもしれない。

当然駐輪スペースなどの課題はあると思うので、この辺りは同時に解消しないといけない問題ではあるが、拡張性もあるし面白い。街は追いかけてリデザインされていく。電車が便利で線路は伸びた。地上にはもう建てられないので地下化され、地上の線路はまた違う街を作る。

人々が使いやすい形に自然に生まれ変わっていく。

行動を変えるモチベーションから変化が始まる

この話を同僚から自転車開発をしている知人に繋いでもらい、会話をした。

ずっと電動バイクを新しい取り組みとして検討してきた人なので、すぐにこのアイディアは気に入ってくれた。

自転車は作れるし、アプリも作れる。あとは参入するお店を探し、ビジネススキームが成立すればプロトタイプは作れるはずだ、という話になった。

プロトタイプはというと、パーソナルモビリティの世界に近づくためにはその入口に立つ事に興味を持ってもらえるような仕掛けが大事で、そのためには尖ったフックのある感情に訴えかける要素が必要。

だから自転車のデザインは最重要要素になる。デザインの力はこういうところに最も必要になる。

乗ってみたい!かっこいい!と思わせ、琴線に触れないと始まらない。
乗らないと行動が変わらないし、行動が変わらないと見えてる景色が変わらない。

今僕たちはこんなスペキュラティブな都市づくりの挑戦をし始めた。

続きはまた。

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