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最近読んだ本リスト(1/19〜1/31)

1.「グロービス MBAマーケティング」

マーケティングについて学び始めるために、基本的な知識やベースとなる考え方を学びたいと思い、手にとった本著。



期待通りマーケティングの基礎を、具体的なマーケティング事例に照らしながら学ぶことが出来る内容となっていた。

マーケティングとは、顧客ニーズや顧客満足を中心に置きながら「買ってもらう仕組み」を作る活動である。

感じたのは、マーケティングとは自分たち自身と顧客のことをいかに知ることが出来るかが重要になってくると感じた。
どちらが不足しても良いマーケティングはできない。


マーケティングにおいて常に問い続けなくてはならないのは、顧客が何を望んでいるか、自社はどのような価値を提供すべきかである。

顧客が抱く不満をいかに察知し、自分たちが持っているリソースで解決できる問題かどうかを見極めながらフォーカスすることが必要だと感じた。
また、USJ再建に関する元P&Gの森岡さんの著書

でもあったように、マーケティングにおけるデータの重要性より感じるような内容だった。


2.「超図解・新しいマーケティング入門―"生活者"の価値を創り出す「博報堂の流儀」

マーケティングをよりイメージとして捉えることを目的に手にとった本著。

期待通り、マーケティングの基礎を端的な説明でまとめられていて、それぞれに細かくイラスト化されているので視覚的にも理解しやすいようになっていた。

マーケティング・プロセスやSWOT分析・3C分析など用いる様々な分析方法とそれぞれの特徴、KPIやCVRなどのマーケティングでの基本的なフレーズについて押さえる事ができるようになっていた。

全体として、マーケティングが担う役割が今までよりもかなり大きくなってきており、業種や企業間を超えた横断性や越境的な働きがこれから求められるようになってきていることを強調されており、企業にとってのマーケターの重要性を知る事ができた。

一番は、企業として求められるあり方を学ぶことができた。
機能的価値を提供するマーケティング1.0から、情緒的価値を提供するマーケティング2.0への変化。そして、企業として社会に対してどういった影響を与えられるかの価値が求められるようになってきているマーケティング3.0。

モノが成熟し、高齢化が進むこの時代で企業の勝ちを高めていくには、消費者だけでなく、360度の視点で捉える生活者として捉える視点が重要になってくる。
あらゆるものが、デジタルに置き換えられていくDX化が急速に進んでいる時代でどういう姿勢でマーケティングを捉えていくべきかについても学ぶことができ、何度も読み返したくなる良書だと感じた。




3.「マーケティングリサーチとデータ分析の基本」

人々や求めるものが多様化し、あらゆるものがデータによって捉えることができるようになった現代において、マーケティングを活用していくために、データ分析の仕方と、分析したデータをどのように活かすことができるかを学ぶことができると思い、手にした本著。

マーケティングでの分析方法を身近な例を用いながら解説してくれているので、マーケティングとはあまり縁のない業界で働いてきた自分にとっても理解しやすい内容だった。

情報自体を集めることが容易になったために、どういった情報を集めるのか、なぜその情報を集めるのかに対する部分が少し意識にくくなってきている現代において、改めてなんのために情報を集めるかの重要性を学ぶことができたと思う。

リサーチの定義は、「ビジネス課題を明確にし、課題解決のアクションや意思決定をするために必要な情報収集や分析」
目的は、「どんなアクションや意思決定をするために、何を収集・分析するかを具体化したもの」

分析の目的を明らかにしておかないと、アクションに繋がらず、集めたデータの解釈にも影響を与えてしまう。
「何を明らかにして、どのようにアクションにつなげたいのか」を明確にしておくことがデータ分析の質を大きく左右する。

分析をFACTで終わらせず、FACTから導き出されるFINDINGs(解釈)まで深める。

これがどこまで深く行えるかと、仮説で検証していくサイクルを回せるかが、分析の質につながると感じた。

従来のマーケティングは消費者に「聞く」ものだったが、検索データによるマーケティングは消費者を「見る」ということ。

特に最も現代を表していると感じたし、1つ前の「超図解・新しいマーケティング入門―"生活者"の価値を創り出す『博報堂の流儀』」でも述べていたように、データを用いて生活者として捉える視点は共通していたため、このことが真理に近いと思った。


4.「デジタルマーケティングの定石」


これからの時代において、マーケティングのみならずデータ分析を活用していくことがいかに大切であるかがわかってきたことで、デジタルマーケティングについて知りたいと思って手に取った本著。

この本では、デジタルマーケティングにおける強みと限界を説明してくれていて、ユーザがいかに合理的な行動をしているかを感じた。

ユーザは自分一人の時間を過ごしている時、驚くほどせっかちで見切りが早い。

デジタルにおいてユーザは自分の好きなもの以外一切見ない。

ユーザはデジタルでは、自分の興味がある情報以外、全く目に入っていない。

こういう、あまりにも合理的で素直なユーザの特性を理解しないとデジタルマーケティングの活用やこれから商品・サービスを届けていく側としては活躍していけないのだなと感じた。

しかし、逆にこの特性を知っていれば、誰でも無駄な作業(ランディングページをいかに綺麗にデザインしトーンを統一するか、仮説のないデータ分析、ポエムのようなwebページ)を避けることができ、効果的で効率の良いデジタルマーケティングを実践できるということがわかる内容だった。

特に、

デジタルにできることは、唯一ユーザの期待に応えること。

デジタル世界では、顧客に価値を提供しているかどうかで勝負が決まる。

デジタルは、会社の規模も知名度も関係なく、良質なコンテンツと商品さえ作れば、十分集客可能なマーケティング手段。

従来のように、コミュニケーションや人となりに惹かれリピートを促すことはできない。
ユーザにいかに価値を届けられるかで勝負が決まってしまうからこそ、そこには企業の大きさや影響力だけでなく、純粋にコンテンツの価値で勝負できる可能性があると感じることができた。


5.「ジョブ理論」


今年に入って読んだ本で、最もハッとさせられた本かもしれない。

マーケティングの具体的な方法論に傾いて、実際にどういう商品が求められているのか理解できていないと感じたので、表紙にもあるように売れる商品の秘密を理論的に学べるのかなと思い、手にとった本著。

今までの本で、顧客のニーズをいかに捉えるかや、どれだけ生活者としての理解を深められるかが重要であるかを学んできたつもりだったが、真に解決すべきは、ニーズよりももっと細かく明細化を伴うジョブなるものだと学べる内容だった。

読んでみると、一見当たり前のような事が書かれているが、見ようとしないと見えないことがこんなにも重要なことだったのかをハッとさせられた。

ジョブの定義は、「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」

顧客がどんなジョブ(用事、仕事)を片付けたくてそのプロダクトを雇用するのか。

重要なのは、顧客がなぜその選択をしたのかを理解することにある。

ジョブ理論が重点を置くのは、「誰が」でもなく「何を」でもなく「なぜ」である。

顧客が「なぜ」そのプロダクトを利用したのかをいかに理解できるかがとても重要となる。単一の表面的な理由だけでなく、そこには利用までに至るストーリーが存在する。そのストーリーこそ、顧客がプロダクトを利用する理由であり、ジョブとなる。

特に

・顧客がほしいのはプロダクトではなく、彼らの抱える問題の解決策。

・同種のプロダクトでしか解決できないなら、それがジョブではない。

商品を提供しようとするのではなく、顧客が抱える問題をいかにして解決することが出来るか。あくまで求められているのは、解決の手段であり、購入・利用することが目的ではないと改めて理解した。
手段でしかないため、競合はそれを解決できるすべてになる。そのことを強く理解できる内容だった。

6.「その仕事、全部やめてみよう」

自分は、「とりあえず全部やってしまえ」「量で賄おう」と考えるタイプなので、やることの取捨選択について学べるかなと思い、手に取った本著。

仕事を合理化し、効率よく、なおかつ効果的に進めていくにはどういった点を意識すべきかと、集団の中で個性を身につけていくポイントを学べるかなと感じた。

どんな仕事にも共通する「仕事を合理化するポイント」があることが見えてきた。逆に言えば、共通する「無駄」がある。

最初にやらなければならないのは、「山」を明確にすること。「山」がはっきりしていないのに「谷」を埋めようとすると、それだけでリソースを使い切ってしまい、メンバーの士気も低下する。


欠点や弱点に目が行きがちだが、長所や個性を大事にしないと没個性の普通になってしまう。プロダクトに関してはじめは言及されていたが、聞いていくうちに個人個人のレベルでも大きくうなづける内容が多くあった。

特に

意図的に、そして戦略的に仕事の中で「見せ場」を作る。言い換えれば、普通ではない成果を出すということ。

こうした見せ場の一つ一つが、その人の能力を高めていく。それを習慣化し、繰り返していくことで抜きん出た能力になっていく。

周りにおっと思わせるような結果を出し、日々の些細な仕事にもしっかりと取り組む姿勢を示し続けることでさらなる仕事を任されるようになり、そうした過程で自分の能力も上がっていくんだなと感じた。


7.「内定者への手紙ー『仕事が遅い人』と呼ばれないための10のチェックリスト」

前の本で、仕事術について少し学んだので、続けて仕事の進め方についてもう少し詳しく学べるかなと思い、手にとった本著。

この本はシリーズになっており、ビジネス人生を生きていくための知恵の「理論」と、すぐにできる技術と行動の「ハウツー」、仕事をする上で大切にしてほしい心構えといった「スタンス」の3つを学ぶことが出来るようになっている。

社会人5年目までは徹底的に仕事のスピードを上げ、それ以降はスピードの幅を追い求めるべき。

なぜなら、スピードは質にも量にも変換させられる。

スピードを制するものは、人間界で働く限りはどの場所でも一目置かれる存在になる。

社会人のはじめの仕事の進め方が、その後のビジネスキャリアにおいても大きく影響し、集団の中のひとりではなく自分に目を向けてもらうには、スピードで抜きん出る必要がある。「その仕事、全部やめてみよう」でも同じように、「見せ場」をいかに作り、周りの評価を上げるということが、さらなる仕事が舞い込み、自らの成長の機会にもつながるのだなと共通している部分があった。

また、物事を分解して整理し取り組むという作業方法についても本著で取り上げられており、

何事も分けて考えれば早くなる。

細かくすればするほど、次の行動をイメージしやすくなる。そのため、一度分解したら、もうこれ以上分解できないかと考え続けることが必要。

というようなタスクを分解して考えることの大切さを「分解の法則」として取り上げていた。

中でも、最も良かった内容は、

タスク管理において、最も重要なのは、経営と執行を分けるイメージを持つこと。①やるべきことを整理する人と、②整理したことをやる人 は分離してタスクを処理すべき。この二つの人を自分の中でわけて持っておくと驚異的に強い。言い換えれば、タスクを分解してやるべきことを整理するタイミングと、そのタスクを実行するタイミングは分けた方が結果的には仕事が早くいくことが多い。

自らに中で、行う作業を監督し指示する役割と、それをしっかりと実践していく役割を意識して持つことで、無駄なく作業を効率的に進めることができ、自分の中でも作業の進捗を捉えながら勧めていくことが出来るため、今日からでも使いたいハック的な内容だった。


8. 「アフターデジタル」

コロナの影響もあり、急速に進んでいるDXを中心とした、ビジネスの未来について学びたいと思い、手に取った本著。

作者の一人が中国を中心に活躍していることもあり、シリコンバレーなどの欧州ビジネスよりも中国におけるビジネスの今がわかるようになっていたが、中国でのビジネスの進み具合の凄さをまじまじと感じられる内容だった。

不信社会と言われる中国において、デジタルを通して信用と人々に存在する格差を同時に解消して、なおかつ、14億人という世界一の国内市場をフルに活用したデジタル中国がとにかく凄かった。

また、同時に中国企業が生き残るために、どれだけ顧客のことを考えて取り組んでいるのかがわかった。

データを活用することで、適したタイミングで適したコミュニケーションどのアプローチが可能になり、体験がさらに良くなる。

もらったデータをもとに、とにかくより良い物としてユーザーに返すことを最も大事にすべきだと考えれている。アフターデジタルの世界では、そうしないとどんどん顧客接点が失われ、データが取れなくなっていく。

アフターデジタル時代の顧客体験は、データやIT技術を活かして、いかにユーザーのリアルペインを解決するために、ユーザー一人一人にきめ細やかな対応ができるか、そこからいかに人間対人間のコミュニケーションを築いていけるかが問われている。

顧客のことを考える視点は、当たり前のように見えて、企業が見落としてしまいがちなポイントであることは、これまでの本で理解していたが、このスケールでビッグデータをフル活用し、サービスとして実装しているのは、さすが中国と思った。

圧倒的な機能の上にユーザーにとって、レアな顧客体験が重なり、さらに、本当に困った時に助けてもらえると、顧客ロイヤリティは劇的に高まる。

内容の中でもあったが、データを活用し、今まで避けられなかった作業をデジタル化することにより、今まで以上に、顧客にどういった価値をどのタイミングでスムーズに提供できるかが大切になる。マーケティング2.0において、感情的側面が重要となっていたが、やはり行き着くのは再びこういった温かみのある体験になっていくのかなと思った。

9.「転職の思考法」

前回の北野唯我さんの『内定者への手紙』を読んで、共感したりなるほどと思う部分が多くあったので、もっと具体的な転職へのヒントを学べるのではないかと思い、手にとった本著。

物語型式となっているのだが、主人公の悩みや境遇、周りの反応などが、実際に今、転職を志している自分と重なる部分がおおくあったので、読んでよかったと強く思える内容だった。同じように転職に悩んでいる人たちにもぜひとも読んでもらいたいと思った。

誰にも人生に数度は、腹を括るべきタイミングが存在する。その時に覚悟を決めきれない。これが100%後悔するための唯一の条件。反対に腹を括り決断した人間には、長い目で見ると失敗などない。誰に笑われても馬鹿にされても、何度でも立ち上がり未来を向く。これがこの世の意思決定にまつわる最大の真理。

意味のある意思決定とは必ず、何かを捨てることを伴う。

冒頭のこのフレーズだけで強く惹かれた。自分が転職を志したのも後悔したくないという思いが強かったため、今、悩みながらも強い覚悟を持って取り組まないと何も変われないと思った。
また、今回の転職活動に際し、様々なものを失うことになるし、実際に今も失い続けている。この決断が間違っているのではないかと考えるときもあるが、何かを捨ててこそ、その決断に意味と価値があるのかもしれないと感じた。

心から覚悟が決まると、思考が未来に向かう。

この著書の中では、会社を選ぶポイントや見極めるポイントなど、具体的に行動に移せるレベルのことも書いてあるが、自分がこういった、もっと抽象的で内面的な内容に惹かれた。

悩むことは大事だが、ただ悩んでいるだけで満足してしまうのではなく、考えられるように意識する必要を改めて感じた。


10.「プロダクトマネジメント」

読む書籍を選定する上で参考にさせていただいているマーケターさんが読まれていたこともあり、プロダクトを作っていく上での価値形成について学ぶことが出来るのではないかを思って手にとった本著。

まず、副題にあるビルドトラップとは作者による造語であり、

組織がアウトカムではなくアウトプットで成功を計測しようとして、行き詰まっている状況のこと。実際に生み出された価値ではなく、機能の開発とリリースに集中してしまっている状況。

と定義されている。本書の原題が『ESCAPING  THE BUILD TRAP』とあるように、企業が陥りやすいビルドトラップをいかにして避け、顧客に価値のあるプロダクトを作れるかをプロダクトマネージャーの視点から述べている内容となっている。

価値を誤解すると、ビジネスや顧客のために創造したいアウトカムと価値を結びつける代わりに、作ったものの数で価値を計測してしまうという、ビルドトラップにハマる。

売上を求めるために、アウトプット中心のサービス作りとなり、質ではなく数だけを作るようになってしまうと、衰退してしまう。顧客の問題解決を図るために数えられるアウトプットを増やすのではなく、アウトカムを最大化することに注力することが重要だと学べる内容になっている。

かなり、PMや組織のマネジメントに即した内容になっているため、実際にこれらの立場にいる人向けの内容が多かった。

しかし、上記の顧客の問題解決を目指す視点や、ユーザーストーリーと与えられる価値に注目する視点は、これまでに読んだ書籍と共通する部分であり、顧客の立場に立ってサービスを捉えることがいかに大切であるかを感じることができた。


En.10冊を読んで

プロダクトへの理解は深まったと思うが、今の自分のフェーズで読むべきかという内容も多くあったと思う。

得たい気づきが今必要なものなのかを考えながら、今後は読書もしていきたい、

手段が目的にならないように、時折立ち止まりながら取り組む大切さを感じた10冊だった。


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