小林サラオ

東大法学部卒の役人。本を読みながら、あれこれ思い悩むのが趣味。社会人向けの家庭教師も承…

小林サラオ

東大法学部卒の役人。本を読みながら、あれこれ思い悩むのが趣味。社会人向けの家庭教師も承ります。

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周りと差をつけるためのnote-1回5分の努力で教養人に【ホームルーム】

宇宙の新たな見方を発見したアインシュタイン、 芸術や科学の多岐に亘る分野で活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチ。 圧倒的な才能を神から与えられた「天才」たちを一度でも羨んだ過去を持つ者は少なくないはずである。 他方で、自らが「天才」になるためには、生まれ持っての才能や並外れた努力など、あまりにも多くのものが我々に欠けていることに気づかされる。我々は「天才」になることを諦めなければならないのである。 しかしながら、「天才」になることはできなくても、持ち合わせたポテンシャル以上

    • 【10限目】生と死の描写で感性を磨こう!(『桜の樹の下には』/梶井基次郎)

      まえがき第2回のnoteで、「好きな本は?」と聞かれた時の最適解として、梶井基次郎の小説『檸檬』を答えればいいと書いた。今回は、その梶井基次郎の別の作品『桜の樹の下には』を取り上げたいと思う。 この作品は、生と死を、梶井基次郎ならではの構図で切り取ったものだと思っており、個人的には、夭折の梶井の生死の捉え方が現れた作品だと見ている。 『檸檬』もそうであったが、こちらも青空文庫で無料で公開されており、わずか2ページの作品で隙間時間に読むこともできるので、是非読んでみていただ

      • 【9限目】アンパンマンから学ぶ、周りと差をつける方法(『ボクと、正義と、アンパンマンと』/やなせたかし)

        まえがき前々回、前回とお笑い芸人のエッセイを取り上げてきた。前回から少し期間が空いてしまって申し訳ないが、今回は、アンパンマンの作者として著名な、やなせたかし氏のエッセイを取り上げて、周りと差をつける方法を考えていきたい。 アンパンマンのストーリーアンパンマンは、多くの人が子どもの頃から慣れ親しんできたキャラクターではあるものの、そのコンセプトや生み出された背景を知っている人は少ないのではないかと思う。このエッセイを読めば、どんな思いで、やなせ氏が、アンパンマンと、そして

        • 【8限目】お笑い芸人の感性で差をつける!(『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』/若林正恭)

          まえおき前回は、エッセイとは何かについて触れた後、お笑い芸人の南海キャンディーズ・山里亮太氏のエッセイ『天才はあきらめた』を少しだけ取り上げたが、今回も同じくお笑い芸人のオードリー・若林正恭氏の『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を取り上げて、周りと差をつける方法を考えていきたい。 こちらもエッセイの形式となっており、前回のnoteでエッセイそのものを使って周りと差をつける方法についても考えているので、併せてご参照いただきたい。 それでは、いつも前置きばかりが長

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        周りと差をつけるためのnote-1回5分の努力で教養人に【ホームルーム】

        • 【10限目】生と死の描写で感性を磨こう!(『桜の樹の下には』/梶井基次郎)

        • 【9限目】アンパンマンから学ぶ、周りと差をつける方法(『ボクと、正義と、アンパンマンと』/やなせたかし)

        • 【8限目】お笑い芸人の感性で差をつける!(『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』/若林正恭)

          【7限目】エッセイで読書の「幅」を見せてみよう(『天才はあきらめた』/山里亮太)

          まえおき図らずもタイトルが出来損ないの川柳みたいになってしまった。反省、反省。 これまでは、古典や小説を取り上げてきて、どちらかというと、おカタい感じを出してきたが、梶井基次郎がどうとか、ヘミングウェイがどうとかいうだけでは、賢さの一本槍になってしまい、通用しない人には通用しないとも考えられる。周りとの差をつけるためには、頑なな面だけでなく、柔軟な面、人としての「幅」を見せることも重要であろう。 ということで、今日はお笑い芸人である南海キャンディーズの山里亮太氏(山ちゃ

          【7限目】エッセイで読書の「幅」を見せてみよう(『天才はあきらめた』/山里亮太)

          【6限目】ブラック霞が関は飛鳥時代から?(十七条の憲法/聖徳太子)

          まえおき 以前、鴨長明の『方丈記』を取り上げた。だれもがその名前は聞いたことはあるものの、その中身を良く押さえていないものを知っているということは、その理解の深浅を問わず、アドバンテージをとれるのでおススメである。そういった観点で、本日取り上げるのは、そう、『十七条の憲法』である。これまでと異なり、本を取り上げるということではないのだが、しっかり十七条を読み切ったことのある方は少ないと思うし、日本史が苦手な人でも、聖徳太子とセットで覚えている言葉ではないかと思い、今回取り扱

          【6限目】ブラック霞が関は飛鳥時代から?(十七条の憲法/聖徳太子)

          【5限目】世界一有名な怪物に学ぶ 科学との向き合い方(『フランケンシュタイン』メアリー・シェリー)

          はじめにフランケンシュタイン、と聞いて何を思い浮かべるだろうか。 青白い肌、縫い目の入った皮膚、暗い表情、低い声・・・。このような人造人間を想像した方もいると思うが、これは半分正解で半分間違いである。 よくある雑学でもあるので知っている方も多いと思うが、フランケンシュタインは、「そのような怪物を作り上げた博士」であり、怪物には作中で名前は与えられていない。名前さえ与えられない悲しきモンスターとして描かれるのである。 本日取り上げるのは、前回に引き続き海外文学、メアリー・

          【5限目】世界一有名な怪物に学ぶ 科学との向き合い方(『フランケンシュタイン』メアリー・シェリー)

          【4限目】「サンチャゴみたいな人だよね」と言ってみる(『老人と海』/ヘミングウェイ)

          まえおき第1・2回は、日本の文学作品を取り上げてきたが、本日は太平洋を越え、アメリカ文学に挑戦していく。本日取り上げるものは、誰しも作者と作品名は聞いたことがあるであろう、ヘミングウェイの『老人と海』である。 ヘミングウェイと聞くだけで、教養のにおいがプンプンしてきそうだが、返す刀で「そもそもヘミングウェイってどんな人なんだっけ?」と言われた時に備えて、まずは前提知識を入れておく。 ヘミングウェイはどんな人物?ヘミングウェイは、1890年代に生まれた作家で、ロスト・ジ

          【4限目】「サンチャゴみたいな人だよね」と言ってみる(『老人と海』/ヘミングウェイ)

          【3限目】東京都知事選(政治経済)

          まえおき第3回目にして、早くも番外編。しかも、昨日更新した後に、すぐに投稿という、例外的な投稿となっているのだが、本日7月7日は、東京都知事選の投開票日である。民主主義を支える我々には、各立候補者の主張を吟味した上で、それを自らの投票行動につなげる義務があるのだろうが、いまいちどう政治と向き合っていいのかわからないというところもある。 このノートはあくまで周りと差をつけるための方法を考えることを目的としているので、東京都知事選挙について、何らか書くこともないと思っていたの

          【3限目】東京都知事選(政治経済)

          【2限目】究極の質問「好きな本は?」に対処する(『檸檬』/梶井基次郎)

          前置き前回は、初回にもかかわらず、いきなり鎌倉時代の古典を取り上げるという暴走ぶりであったと猛省している。ということで、今回取り上げる本は、明治時代の小説家・梶井基次郎の『檸檬』である。 こちらも、『方丈記』同様、国語の教科書に取り上げられがちな作品で、教科書しばりかと思われるかもしれないが、決してそのような縛りプレイを設けるつもりはなく、次回からは他の趣の作品を取り上げていきたい。 とはいいつつも、今回、『檸檬』を取り上げる趣旨は、別に教科書に載っているからというわけ

          【2限目】究極の質問「好きな本は?」に対処する(『檸檬』/梶井基次郎)

          【1限目】鎌倉時代から同じ?生きることの窮屈さ (『方丈記』/鴨長明)

          前置き前回は、筆がついつい走って、壮大な前置きとなってしまった。大風呂敷を広げるのが自分の悪い癖だと反省している。 クーリングオフ期間(1時間程度)を挟んだので、少し冷静な頭で、今後やっていくことを書いておく。 これからは、毎回、一冊の本を取り上げ、そこから得られる、周りと差をつけるための言い回しや表現ぶり、とってつけた簡易な知識等を紹介していく。まずは、週に1回のペースで更新していくが、仕事の繁忙やビュー数も見ながら、週に2,3回にペースアップできればよいと思っている

          【1限目】鎌倉時代から同じ?生きることの窮屈さ (『方丈記』/鴨長明)