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山下久美子【JAZZ"N"KUMIKO】

「山下久美子さんの新録をやりたいんだ。」

塙さんから相談を受けたのは2022年の秋。
僕がGLAD Soundをスタートしてちょうど一年経ち、これからもっと自分の可能性を広げたい、と思っていた頃だった。

塙耕記さんはディスクユニオンから独立しJUDGEMENT!RECORDSを立ち上げた、数々のジャズ作品に関わる超敏腕プロデューサー。

東中野から徒歩1分に店舗があります。

元々は女優・山口いづみさんのBossa Nova作品に参加した際のレーベルの担当をして頂いたのが、ご一緒した最初のお仕事で、その後も何度かライブなどでお会いして、2019年に僕のURBAN GROOVE SESSIONを録音する時には真っ先に相談させてもらい、アートワークや流通などをプロデュースして頂いた。
つまり、僕のキャリアの中の大事なポイントで必ずお世話になっている、足を向けては寝られない、そんな人。

そんな人からの直々の依頼とあっては、僕としてはもちろん悩む必要なんて1mmもないわけで、とにかく全力を尽くそう、そう心に決めた。

山下久美子さんといえば、日本を代表するロック、シティポップシンガーで、僕からしたら世代は上だけど、代表曲は聞けばあぁ〜!となるくらい有名。
少なくともジャンル的にも僕が関わる機会なんて想像したこともなく…

ところが、話を聞くと、今回の企画は山下久美子さんの新作ジャズアルバムということではないか。しかも、ガチガチの伝統的なジャズ(なんて言うと基準も曖昧で主観によるんだけど)というよりは、山下さんのポップさも十分に活かして、オリジナル曲もしっかり聴かせるような作品にしたいとのこと。

つまり、その世界観を表現できるメンバー選びが最重要。

僕が真っ先に声をかけたのが、今回のレコーディングメンバー。

ピアノにはURBAN GROOVE SESSIONでも一緒にやってくれている中林万里子さん。フレーズに華があって、僕はなにより彼女のコード感とグルーヴが大好きでとてもやりやすい。僕の足りないところ(ほぼ全てだけど)をカバーしてくれつつ、しっかり印象に残るような歌心のあるプレイをしてくれるので、いつも困ったら万里子さんだ(笑)

ベースは中林薫平さん。錚々たるメジャーアーティストのサポートもしつつ、自身のバンドでBLUE NOTEにも出演するような、日本代表みたいなベーシスト。確実に力強いスウィング感をもたらしてもらえるという確信があって、どうしてもとお願いした。

ドラムは工藤明くん。彼もまた様々なアーティストのレコーディングやツアーに引っ張りだこで、いろんな現場ですぐ名前が挙がる、人柄も最高でセンス抜群のドラマー。若いけど、いつもサウンドに安定感とひらめきをもたらしつつ、プレイでは良い意味での緊張感を与えてくれるようなバランス感が最高だ。

そして、今回+1の楽器として、サウンドプロデューサーの渡辺康蔵さんがサックスのビリー・ジーンを紹介してくれた。
今回が初共演だけど、めちゃめちゃ若いのにソウルフルでブルージーなサウンド、説得力のあるサウンドとフレージングで、間違いなく今回の作品で聴きどころとなる部分を担ってくれた。あとキャラがとにかくめっちゃ良いので現場でみんなに可愛がられてるのがよくわかる。これほんと重要。

渡辺康蔵さんに関しては、それこそ数々のジャズ作品、ジャズミュージシャンをプロデュースされてきていて、山下久美子さんの歌を誰よりも理解している。
アレンジのイメージやバンドの構成に至るまで、遊び心もありつつ的確で、ミュージシャン側とリスナー側、様々な角度からジャッジしてディレクションして頂いた。
ものすごいキャリアをお持ちなのに、決して偉そうな感じもなく、僕のような無名のギタリストにも丁寧に、というかかなりフランクに(笑)接して頂き、本当にありがたかった。いつも現場を明るくしてくれるし、その人脈の広さにも納得だ。

と、まとめてみたら僕がやったことはメンバー集めとスケジュール調整だけで、あとは勝手に良い感じになっていくアレンジとサウンドに身を任せて、ギターを弾いていただけ、という説は否めないが、まぁ所詮ジャズはそんなものだろう(?)

今回のレコーディングメンバー+塙さん、Kozoさん

レコーディングは二日間ガッツリ、STUDIO Dedeにて。
僕のバークリー時代の先輩がオーナー・エンジニアとしてやっている、今や日本のジャズ作品には欠かせない、レコーディング&マスタリングスタジオ。
ビンテージの機材が並び、生々しく臨場感のあるバンドサウンドを録るならDedeのアナログ録音で間違い無し。

こんな感じでレコーディングも順調に進み、完成したのが今回の作品。

JAZZ"N"KUMIKO

本日2023年4月26日発売です。


山下久美子さんと

ちなみに、肝心の山下久美子さんとは、最初に某リハスタで各楽曲のキー合わせや選曲のためにプロデューサー、マネージャーさん含めてお会いしたんですが、物腰も柔らかくとても話しやすかったのが印象的でした。
第一線で活躍している方に限って、ほんとに優しいんですよね…

もちろん歌になった瞬間、(あの山下久美子だ…!)って感じ!笑
歌とギターでセッションさせてもらったのも貴重な経験でした!役得!

ジャズな久美子。よろしくお願いします!


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