外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」
プロローグ
私は日本の大手電機機器メーカーで人事として20数年働いてから、縁あってアメリカのライフサイエンス系グローバル企業に入社しました。そもそもグローバル企業とはどんな会社か?という質問があるかもしれません。私は以下のように考えています。
グローバル企業とは、世界の株式市場の中での成功を目指して、より成長すること、利益を上げることを目的に他の世界のトップ企業としのぎを削っている会社です。そのため、様々な国籍の野心を持った人々がキャリアアップを目指して集まる会社ともいえます。
私は、グローバル企業に入社以来、日本企業や外資企業の買収の経験をしました。はたまたグローバル企業によって逆に買収されるという経験もしました。人事のヘッドという職務柄、人に関するストレスや緊張を強いられる場面もたくさん経験してきました。激しいビジネス環境の変化の中で、何とか10数年生き残ることができたのですが、その間に経験で学んだものや心の持ち方を若い人たちへ伝えたいと思うようになりました。
そこで、部下の方たちに向けて、毎週1テーマに絞り、自分が感じたことをメールで伝える「HR Letter」をはじめました。そのため、時に部下の方たちへの呼びかけになっていることもあります。
この「HR Letter」は、グローバル企業(特に人事)の中で生き残っていくためには何が必要か、あるいは自分がそのような環境の中で何を支えにして、乗り越えてきたかについて自分なりの考えをまとめたものです。思うところあって、これまで組織の中で発信してきたものを整理して公開することにしました。あくまで私の経験によるもので異なる考え方もあるかと思いますが、参考にしていただければ幸いです。
目次
第1話「セルフマネージメントの重要性」
第2話「競争社会の中にいること」
第3話「自己犠牲の精神」
第4話 「一期一会」
第5話 「能力はどうしたら身につくか」
第6話 「なぜ業務に優先順位をつけなければならないのか」
第7話「第4のピープルスキル」
第8話「リーガルマインドからビジネスマインドへ」
第9話「クロスカルチャーコミュニケーション」
第10話「仕事の深化」
第11話「グローバル企業で働く際の心構え」
第12話「グローバル企業の給与の決め方」
第13話「採用面接での面接者の心構え」
第14話「採用面接での確認ポイント」
第15話「包括的な対応ができること」
第16話「日本とグローバル化1 - 日本独自論」
第17話「一歩先を読むこと」
第18話「レスポンスのスピードとタイミング」
第19話「チームの中での自分の役割」
第20話「リストラクチャリングをする覚悟」
第21話「日本とグローバル化2- ライフサイエンス分野」
第22話 「Sense of Urgency」
第23話「今までできなかったことがある時ふいにできるようになること」
第24話「適正な賃金水準へリードする」
第25話「頑張るための原動力」
第26話「自らの選択を自覚すること」
第27話「付加価値のつけかた」
第28話「運を呼び寄せる人」
第29話「やる気がでない時の対処法について」
第30話「フェアであること」
第31話「信条を持つこと」
第32話「多様性とエビデンス」
第33話「転職の良いタイミング」
第34話「リタイヤメントを決めること」
第35話「ラーニングアジリティ」
第36話「クルーシャルな会話」
第37話「自己認識を考える」
第38話「グローバル企業のリーダーシップとは」
第39話「インテグリティーを鍛えるためにどうすべきか」
エピローグ 「個人としてのグローバル化」