外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第22話 Sense of Urgency

第22話 Sense of Urgency

Sense of Urgency とは、直訳すれば「緊急性の意識」で、グローバル人材になるための重要なコンピテンシーの1つと捉えられています。Sense of Urgency という言葉には様々な意味が含まれています。今回は私の考えるSense of Urgency について皆さんに紹介したいと思います。

1つ目は、 Urgency の文字通り、タイムリーにものごとを進めることです。グローバル企業において、スピーディーに物事を進めることはすべての仕事の基本です。入社したての人から「物事の進んでいくスピードの速さに驚いた」という感想をよく聞きます。これは、自分が考えてるスピードと上司から期待されるスピードのギャップによるものでしょう。上位者になればなるほど、物事を判断するスピードが速くなるからです。

2つ目は、変化することへの準備です。現在、社会は常に変化を求められています。ビジネスの社会においてはなおさらです。変化することを前提に今があることを理解し、次の変化にとって今の状況が何を意味するのかを深く考えなければいけません。つまり Sense of Urgency とは変化へのマインドセットであるということです。

3つ目は、日々の業務の中で事前にトラブルを避ける行動を考えるということです。「今の流れだとトラブルになる、あるいはコンフリクトが起きる」と予測したとき、次の一手は非常に重要です。適切な対応をとれば、本来目指すべき方向性を変えずにトラブルを避ける展開にもっていくことができます。

4つ目は、チャンスをつかむ行動とはなにか?を考えることです。「運も実力のうち」という言葉があります。「あれは運が良かった」という言い方をするケースは、運を引き寄せたからこそうまくいったのだといえるでしょう。チャンスが近くに来た際に、それを積極的に取りに行くことができるかどうかが運を決めます。これもまた Sense of Urgency の意識から生まれます。

私は部下の人に「優れた人と付き合うようにした方がいいよ」というアドバイスをすることがあります。優秀な人は様々なことを自分にもたらしてくれるからです。しかし、漫然としていたら自分を高いところへ導いてくれる人が脇を通り過ぎていくことに気が付きません。人との出会いも運の1つといえるでしょう。

同じ目的を目指しても、そこに至るステップが変われば結果が変わります。1つ1つの行動に Sense of Urgency の意識を持つ必要があるということです。つまり、Sense of Urgency とは時間と行動に対する適切な対応であるといえると思います。


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