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【科学が証明】アーティストの黄金期は「5年未満」である

なお、多作や安売りで “自身の価値” を浪費しているクリエイターと偽者に、成功は無い。創作人生の黄金“期間”を自覚しているアーティストは、その頂点を徹底的に設計している。このトピックでは、「アーティスト人生の設計方法」を、知ることができる。目先のチャンスにすがり生活のために生きつつも未だ“いつか誰かが評価してくれる”と信じているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 創作活動は数学に近い 』

成功者の創作が「アーティストの本能」と「研ぎ澄まされたセンス」によるものだと想っている人間は、素人である。例外は無い。

国際的に成功しているアーティストの創作活動は、閃きの先に続く永遠とも想える検証と、徹底的な設計から導き出された解である。それは“感情”や“境遇”による影響を度外視したさながら、数学や科学に近い。

アーティスト気取りがキャンバスにインクを垂らしてポロックを模したり、淡さを重ね塗ってロスコを気取りどう哲学をひねろうともそれは、偽物である。解として間違いでありそもそもに、問いが無い。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:芸術的成功の鍵を、科学者が発見。それは「有望な新しいアイデア」と「強烈な集中力」

科学者チームは「Nature Communications」に掲載された新しい研究で、「ホットストリーク」(※芸術的生産性が高く成功した期間)の鍵を発見したと発表した。

この論文でダッシュンワン氏と研究チームは、「ホットストリークの存在」を証明している。「科学者のキャリアにおいても、科学者が最高の仕事を発表するのは、4〜5年の期間であることがわかっています。90%の科学者がホットストリークを経験しますが、それはたいてい1回だけです。」

しかし、ある発見が彼の発見を複雑にしました。ホットストリークは、キャリアの最初、真ん中、最後のいずれかの時期に同じ確率で発生する。「それはランダムな、魔法のようです。 この謎を解決するために、チームは3年間かけて、ホットストリークの前にどのような条件があるのかを調べました」

研究チームは人工知能を用いて、ホットストリークをを達成するまでの期間に、アーティストや映画制作者、科学者がどのような作品を制作したかを追跡。創造性のピークを予測するには、「検証」と「開発」のどちらが適しているかを調べた。2,128人のアーティストのキャリアを表す美術館やギャラリーのコレクションから抽出した80万枚の画像を検証。

そして、どの時期に最も高価な作品を制作したかによって、そのアーティストのホットストリークを特定した。研究者たちにとっての「開発」とは、狭い範囲のテーマやスタイルに集中することであり、乱用ではなかった。「すべての探索が実を結ぶわけではなく、有望な新しいアイデアがない場合の搾取は、それほど生産的ではない」と書いている。

一方で、研究者たちは、探究と開拓の連続が、アーティストだけでなく、映画監督や科学者のキャリアにおけるホットストリークを予測できることを発見した。「私たちは3年間、その答えを探し続けました。こんなに簡単に答えが出るとは思いませんでした。しかし、最高の結果というのは、答えを知ってしまえば一目瞭然の結果なのです」 - SEPTEMBER 14, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

アーティストの黄金期間は科学者と同じであり、活動のいつ起ころうとも4-5年間しか続かず、必須なのは「検証」と「開発」。だが広範囲のテーマを乱用する未検証の場合、「開発」にはあたらない、という記事。

創作人生の黄金“期間”(※“黄金期”ではない)は4-5年間であり、いつ起ころうとも人生に1度しかない、という結果だ。統計学上の高精度検証に足るサンプル数であり、参考にする価値がある。

『 偶然の成功は、無い 』

国際的な成功者たちは常に、人生の現在地を確認し続けている。目先のチャンスにぶら下がることよりも、“現在の成果を失うリスク”の方が大きいためだ。しかし実は彼ら、著名な国際人になる前から変わっていない。

成功者の多くは無名時代から、「成功者として」生きている。

成功したから著名なのでは無く、「成功に値する人物だから著名になった」だけだと言える。ここ「アーティスト情報局」では、自己啓発を扱わない。これはわたし自身が目の当たりにしてきた、一次情報のシェアに過ぎない。


『 創作活動は、設計の果てに。 』

徹底的な「設計」が重要だ。
自身の創作人生はいつからはじまっただろうか、そこから“趣味一切”を差し引いたプロフェッショナル期のみが、換算できる創作人生だ。「プロフェッショナル期」とは、公的にメジャーと認識されている複数の一流と対等な立場で参加した作品、または記録に残る作品の、“参加期間のみ”。つまり、自主映画を創り続けて地方映画祭で受賞した20本の盾を持つ35歳なら、キャリアは、ゼロだ。

「ゼロ」を馬鹿にしない方が良い。立派なものなのだ。

たとえば、もしも「安者」や「偽者」の色がついているならそのアーティストはそれまでの活動期間比“3倍”の時間を要してゼロ地点を手に入れることとなる。つまり、その人物が40歳以上ならもうその人生に成功は無い。今日、転職すべきだ。

また過去の人生を捨てられるなら、「ゼロ地点アピール」に務めるべきだ。

我々無名な雑魚の“ベテラン アピール”ほど、全方位に無益なものはないならばこそ、“ゼロ”を周知することに努め、そこからの急成長を告知し続けることで、“再起”というホットストリークを創出できる可能性が在る。ただしそれは“タレント型アーティスト”であり本質的な価値には遠く、芸術的価値は望めない。すべてこれまでの自分のせいだ、腹も立つまい。

それでも時間が残されているアーティストは、「設計」せよ。


『 ホットストリークの設計方法 』

“手に入れるタイミングを設計する“という認識でいればそれは、欲に直結し、成果に遠い。ホットストリークを設計するということは、それ以外の時間を“相応しく生きる”ということだ。

科学的検証によればホットストリークは創作人生の、どのタイミングに訪れるかが判らない。また、それは1度でしかなくしかし、「それ」だと気付くのは過ぎてからだ。つまり、“タイミングは狙えない”

創作人生の中の「わずか4年間」にすべてを投じるべく、「相応しく生き続ける」ことが解なのだ。“今この瞬間”かもしれないホットストリークであるならばこそ、ただの一瞬でも、気を抜くべきでは無い。

貴方はわずか4年間のホットストリークに、趣味に生きるか? 遊ぶか? 休むのか? ならばこその自問を繰り返し、常にホットストリークを生きる覚悟が必要だ。どれだけ苦しくても寂しくても辛くても安心していい、どうせ死ぬ。作品のために、その他のすべてを捨てれば良いだけのことだ。

『 編集後記:』

紙の本が好きなので、持っていない。
誤字ではく、好きなものを買わないことにしているためだ。目先直近の資料以外の3千冊を処分した6年前の痛みを想うともう、紙の本には手を触れたくない。いや、触れたい。

好みを疑い嫌悪を注視しつつ、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記